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2014年10月 4日 (土)

迷子になると見えてくるもの

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 当たり前だし、予想されたことでもあったのですが、老化していきます。抵抗することはできません。ベッドから転がり落ちて脇腹を強打し、できた打ち身は、
3日間消えません。40代の頃は1日で消えました。20代だったら、そもそも夢で奥さんの声を聞いたからってベッドから落ちない。

 みんなが言うことですが、物忘れが激しくなります。海南島へ到着して最初の夜、たとえば水とタオルと歯ブラシとトイレットペーパーぐらい買おうと思ってスーパー……8時から23時まで営業……へ行き、帰ってくるともうアパートの場所がわからない。大学内の教員宿舎はみんな形が似ている。そうでなくても中国の建物は奇妙に同じ地区に同じ形で密集される傾向がある。自分がどこにいるか、どっち向いているか、わからない。

 たくさんの人が歩いているので、「荟萃园はどこですか?」

 ある学生は、「すみません聞き取れません」「フイツイユエン、です」学生さん、しばらく携帯電話で地図を呼び出し、探していましたが、さすがのスマホもそこまでは表示できないらしく(小さなアパートだ)、とても申し訳なさそうに、「わかりません」。

 しかし、ご夫婦で散歩していたかたが(たぶん大学教員。この大学では10年つとめないと大学内のアパートへの居住許可が出ないから、ベテラン)「フイトゥイユゥェンでしょう? 探してあげます」と、精力的に動き出してくれました。人に聞き、奥さんと二手に分かれて路地をしらべ、また通行人に聞く(大学内のメインロードには夜9時であろうが10時であろうが人がいっぱい)。

 私は私で、別れたばっかりの林先生にメール。「迷子になりました」林先生からは「スーパーのある裏門から入ってまっすぐ、30メートルを右です」と瞬時に返信。30メートル……と思うけど、恐ろしいことに、もうその「スーパーのある裏門」がわからない。

 と、少し離れたところから、「ありましたよ!」

 声のする方に行ってみると、数名の老若男女が「荟萃园」の表示のあるアパートを指さし、ニコニコ笑っていました。

 翌朝の散歩。

 建物の形状がわかりました。私は、バスケットボールコートほどの広さを、真っ青な顔をして歩き回っていたのだということがわかりました。そもそも海南師範大学じたい、そんなに広い校地を持ってはいません。

 少なくとも3つある門から大学に入りさえすればアパートにたどり着けることが……夜でも昼でも……わかったので、朝や夕方の散歩は、「もう少し広い地域を把握しよう」。

 商店の形を心に留め、建物を仰いで高さとどこからなら見えるかを考え、まっすぐに北へ。巨大デパート「家楽福」で折り返し、南下。中国工商銀行があったのでATMにカードを突っ込んでみました。ATMの返事は、

 「暗証番号が違います」

 そりゃそうだろうなぁ、半年使ってないし、と思わず「わはははは」と笑いました。

 しかし2枚のうち1枚の暗証番号はあとで、思い出しました。1枚のカードの暗証番号は

 「わはははは」。

 まぁ……カードに入ってる金額言うても……。

 あれ?

 忘れた。

 どやって暮らそ。明日から。

 

 まぁ少なくとも私は、「まだまだ若い者には負けない」というあの有名なフレーズは、死ぬまで使わないでしょう。だってもうすでに立派に、しっかりと、負けてるもん。

 

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