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2014年10月 2日 (木)

海南島3日目の朝、好奇心のギアはローからセカンドへ

 武漢オナガ様、コメントありがとうございました。ご心配かけていたこと、お詫び申し上げます。そして、ありがとうございました。

 他の方からも、無事に海口に到着できてよかったねぇ、とメールをいただきました。現在、私のブログには中国からアクセスできなくなっていますが、国慶節の期間中だけのことかもしれません。やがて復旧するでしょう。新規投稿はできるし、コメントいただいた場合にはココログがメールで内容を知らせてくれるので、ただただ「自分のブログが見られないだけ」なのであります。多くの方にご心配いただいたこと、あらためて御礼申し上げます。元気で、私は海口での3回目の朝を迎えました。カビのにおいも、日に日に薄れていきます。ただ、上階に住む先輩のかたからの強いすすめがあり夜も昼もエアコンはつけっぱなし。

 ……というのは精神衛生上きわめて良くない。時々は停止させているのであります。停止させるととたんに「がっ」と、四方八方から熱気が押し寄せます。もちろん、「つけっぱなし」のアドバイスは普通だと思います。とにかく、早朝から、なぐりつけられるような暑さであります。日が昇るともっと暑くなるので、ゴミ出しのついでに、散歩を敢行。すこしずつ私も調子に乗るのであります。到着したばかりの時は、カビの多さとたぶんそのためにだらだらと出てくる鼻水、涙に閉口したのでありますが、たった200元でカビをほぼ完全除去してくださった珠玉のクリーナーさんのおかげで、好奇心のギアがローからセカンドへと切り替わるのであります。ちなみに我が家の車は4輪もバイクも自転車も除雪機もみんなマニュアルミッションなのであります。

 

 海南師範大学正門を右手に見て、派手な噴水のところを左折すると、ちょっとした緑地があり女子大生が木陰で静かに読書をしています。たぶん寮にはクーラーがないのでありましょう。すれ違う人が皆、物珍しそうに私の顔を見ます。服装とか表情、顔そのもの、歩き方、すべてに「よそ者」の張り紙がしてあるのでしょう。一人の男性は、じっと私を見つめ、見つめたまま通り過ぎていかれました。もしかしたら学部長とか副院長とかいうエラ者で、「こいつはどうして私に挨拶しないのだろう」と、思われているのかもしれません。そうだとしたら大変なことであります。ちなみに中国の大学では、役職と服装が関係ありません。学部長なのに作業服とか、どっちかというとアロハシャツに近いような服装の先生もおられます。日本よりこっちの方がいいのかもしれません。そういえばインドの小学校に遊びに行ったとき、校長先生のズボンを止めているベルトは、なんと「縄」なのでありました。稲の茎で作るあの縄であります。それでいて、ちゃんとした威厳があります。インドでは、教師や親がしゃべると言うことは神がしゃべるということであります。縄をベルトにしたって神は神だ。日本の高校のように、教師はどんなに暑くてもネクタイ着用、それって自分を神以上だと思う人間が集団で作ったルールなのでしょう。そっちが異常なのかも。

 それはそれとして。

 海南師範大学の午前6時半。

 きれいな琴の音が聞こえてきます。芸術学部があるので、学生が練習しているのだろうと思いましたが、違っていました。一組の老夫婦が(といっても70歳くらい)ラジカセを持ち込んで太極拳をしているのであります。中国ではどこでも見かける光景でありますが、仕草が美しいのとお二人がぴったりそろっているのと、表情が穏やかなのと、椰子の木と周囲で静かに読書する大学生、それらすべてが信じられないほど調和していて、誠に美しいのでありました。早起き(でもないけど)は三文の得、とはよく言ったものだ。

 

 意思疎通はハルピンよりいっそう大変。通じない通じない。はじめ、食堂カードを作りに行ったとき(中国の大学食堂は現金決済不可)「カード作りには身分証明が必要(そりゃ誰でも利用できるっておかしいよな)、と言われたので、「じゃぁアパートに戻ってとってくる。何時までならこの窓口あいてますか?」が、何度言い直しても通じない。窓口の女性は身を乗り出して食事中の女生徒に向かい、叫ぶ。「誰かこの外人の通訳をしな」。誰だって食事中に中断させられるのはイヤなもんだけど、近くの女生徒は小鳥のような顔と足取りで窓口へ来てくれました。

 やれ嬉しい、中国の若者は小学校3年生から英語を習うし、と思い、

 So sorry, disturbing your breakfast, please tell me when will she close this window?

 と聞いてみたのですが、英語が通じない、私の発音はよっぽど悪いに違いない。それに上の英文にしたって、多少構文が間違っていたって通じるはずだ。単語自体は日本の中学1年生の1学期にでてくるもんばっかだし。

 何度繰り返しても通じない。

 少しの間に私の発音は中国語も英語も、すっかり壊れちゃったらしい。

 そこに、少し上の年次らしい大柄な女子生徒が通りかかりました。

 私の大げさな身振り(時計を指さし、窓口のシャッターの上げ、下げ、を手真似し)を見て何事が進行中なのか察したらしい、「それなら、12時半から4時半までクローズですよ」

 この中国語は、一発で聞き取れました。同じことを彼女の発音で窓口女性に確認すると、これも一発でとってくれました。

 じゃぁあとで来ます、と言って3人の女性と別れました。小鳥の顔の下級生は食事に戻り通りすがりさんは自分のミール調達に。

 のち、カード首尾良く入手。「両個包子、鶏蛋4個、帯走」これは一発でなぜか通じるのです。

 そんなわけで今朝の食事は包子と鶏卵……生だと思ったらゆでてありました。それで全部で6元(105円)安いのであります。

 言葉というのは、しばしば通じません。

 しかしどんな結果で終わっても、「あなたに悪意は持っていない」をベースにしている限り、別れる際には笑顔になれるものであります。

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コメント

ブログ 書くことはできるんですね。
じゃあ これから楽しみです。

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