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2014年8月12日 (火)

金谷武洋先生の新著「日本語が世界を平和にするこれだけの理由」

 今回日本に一時帰国して、最初の数日は読書ばかり。

 中国滞在中は新しく書籍を手にすることができなかったので、どの読書も新鮮でした。

 金谷武洋先生の新著「日本語が世界を平和にするこれだけの理由」。

 氏が以前から主張しておられる、日本語には主語はいらない(実は英語にも、もともと主語は「ない」)論を基本にし、日本語の語順と対話者への深い配慮、話し手の(書き手の)事情や主張をできる限り(あからさまには)言語化しない、そうした日本語の特質が、金谷先生はそういう言葉を使ってはおられないけれど、人と人との「やさしい」「調和的な」関係を創り出す、そういうことを私は理解しました。

 日本語を学んだ中国人が、その学習の深さに応じて日常の振る舞いさえも控えめにさせてゆく、それは本当です。それを「平和」と呼ぶかどうかはともかくとして、調和的であり安心はできます。よく中国の人は「日本人は本心を押し隠して何を考えているか分からない」と言いますが、私は、「あなたがたが『分かりやすすぎる』のだ」と答えることにしております。

 811日、月曜日早朝、北海道の占冠、アルファリゾートトマムにて。

 ロビーには色んな人がいましたけれど、半分は中国人であります。アルファリゾートホテルの広いロビーの端から端まで届く大きな声で会話していたのは、中国からの旅行者。それに対して、同じ中国人だけど日本人と全く変わらない声量でおだやかに会話していたのが、留学生のグループ。たぶん飲食店のアルバイトで必死でためたお金でありましょう。中国人留学生がアルバイトするには、周に何時間、という厳しい制約がある。いやそんなことはどうでもよくて、日本暮らしが長く日本語を使った時間が長い人は、必要以上の大声で会話したりしない。

 「そりゃ語順の問題じゃなくて日本人の生活様式に学んだという、単にそれだけのことでしょ」という人がいる。そうかもしれない。しかし、じゃぁその「生活様式」(対話様式)はどこから来たのか、ということになる。

 

 新著「日本語が世界を平和にするこれだけの理由」は、文例がとにかく豊富で、解説がわかりやすく、日常生活に立脚してすすめられる論は外国人と比較しても(私の知っている外国人は多くないが)比較なんかしなくても、すんなり胸に落ちるのであります。95日から始まる海南島での日本語の授業に、おおいに役立てたい。

 さて。

 思いがけない人が、この書籍に興味を示しました。

 たまたまお客として家に来られた、留学生リンさんであります。

 彼女は大変な勉強家であります。現在は北海道教育大学で勉強しているのだけど、教授がこう聞くそうです。

 「リンさんどうして立ってノートをとっているのですか?」

 その返答。「今日わたしは疲れています。座ると寝てしまうかも知れません。」

 1日の睡眠時間が2時間とか4時間とか、私の奥さんが命の心配をするような、そんなレベルなのであります。ちなみに彼女はアパートで1人で勉強をする際にも「立って」いるそうです。

 その彼女が、本棚のこの書籍に興味を示しました。読んだら必ず返します、といいつつ、札幌へ持って帰られました。彼女の専門は、比較文化。日本語と中国語の比較研究のために最良の書籍でありましょう。

 ちなみに彼女は私のお客さんではなく奥さんのお客さん。私と同じくこの書籍に感動した奥さんが、彼女に紹介しました。

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