1年の授業が終わった
試験期間が間もなく始まるので、8月末から始まった通常授業は今週で終わります。
1年生も、授業が間もなく終わるという最終の1ヶ月、向上著しいのであります。最後のプリントに授業の感想を書く欄を設けたのですが、多くの人が私の期待と予想を超える、素晴らしいメッセージを寄せてくれました。
ついに黒竜江東方学院での授業も終わったのだなぁという感慨があります。あとは試験の採点、成績処理であります。成績処理にはまぁ一定のルールがありそのルールを逸脱するとコンピュータシステムが入力を拒否してくれるのでありますが、それほど難しいものではありません。
写真のコメントは斉さんという女子生徒のものでありますが、彼女はとても物静かで、おとなしいのであります。普段はあまり話しかけたりしない人なので、長文のメッセージをもらった時は驚きました。
多くの人が、「初めて接した日本語はとても難しかったが、だんだんわかるようになってきた」と書き、「先生はいなくなって寂しいがこれからも勉強する」という意味のことを述べています。日本語を習い始めてたったの3ヶ月で私の通訳業務ができるようになった去年の金さんみたいな特別な人はいませんでしたが、その代わり、「箸にも棒にもかからない」人はいないクラスでありました。私は満足しております。去年? 箸にも棒にも……うう~ん。
明るい、人懐っこい人の多いクラスでありました。カレーを作ってご馳走しようとしても、いつもご馳走にならないのであります。招待したはずが、みんな食材を抱えてきてアパートのキッチンで料理を始める。そして食事会が終わったあとは、台所をごしごし洗って綺麗にして、去って行く。私は「そんなことしなくていい」と言います。彼等は、見返りを期待してそんなことしているわけではないのであります。
みんなそうなのであります。食べるだけ食べて、食器も洗わないで「ごちそうさま」と去って行く、そんな人は絶対にいません。
授業以外では私がこの1年生のお世話になりました。
私は7月5日にはアパートを引き払う予定であります。
「姜さん、土曜日の午前10時から3時間ほどあいてる? 日本に段ボールを4つほど送るんだけど、郵便局の人と私の間で、通訳できる?」
「できます。いつものようにやればいいんでしょう?」
「ありがとう。でも男手も必要だな。常さん、重い荷物がいっぱいあるんだけど、土曜日の10時から助けてくれない?」
ものすごく嬉しそうに、「はい!」と言ってくれる、その反応が嬉しいのであります。
8月終わりには、海南島であります。
どんな授業が? どんな、生徒との関係が?
そして、現在の1年生は、どんな新規の日本外教と、出会うのでありましょう。
「先生がいなくなります。寂しいです」と言ってくれる人に、私は言いました。
「2012年の7月、3人の先生が日本へ帰った。多くの人が寂しがった。泣いている人もいた。でもそのおかげで、M代先生とM尾先生と私、3人が新しく着任できた。とてもいい人達と知り合えた。あなたのことだ。今、私達3人が去る。新しい先生が来る。そういうことだ。」
そういうことであります。
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