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2014年4月17日 (木)

「ある」か「いる」かで悩みまくる私

 日語会話の授業をしていて、2年生の生徒が、ごく普通に質問しました。「104番のバス乗り場はどこですか?」と聞く時のような表情でありました。つまり、難しい質問だとは露、思っていないのであります。

 「先生、『ある』と『いる』の違いは何ですか?」

 すぐに答えることができず、「来週の授業で回答します」と言うのがやっとでした。思わずそのまま外事処へ駆け込んで、「今月の給料はいりません」と言いそうになりました。

 授業が終わってすぐ、辞書を調べてみました。辞書的分類では要領を得ませんでしたが、自分でいくつか文例を作ると、すぐにわかりました。

 花が、咲いています。

 花が、活けてあります。

 自動詞につく場合が、「いる」で、他動詞が「ある」なのです。

 壁に絵が掛かっています。「掛かる」は自動詞であります。

 壁に絵が掛けてあります。「掛ける」は他動詞であります。

 ……これなら、勉強熱心な呂さんも納得してくれるだろうと思い(かけ)ましたが、ふと気づきました。

 ドアが開いています。

 ドアが開けてあります。

 ちがう、自動詞、他動詞じゃ説明がつかない。(たしかに、開ける、は他動詞ではあるが)

 「開いています」という述語の主語的役割を果たすのは(つまり主題は)「ドア」だが、「開けてあります」の主題は、ドアじゃない。それは、あえていえば漠然とした「状態」だ。主語、と考えると説明がつかないが、主題と考えると説明(理解)可能となる。ドアが開いた状態に設定したのは、私で、第2文目の主題はドアではない、その、漠然とした「状態」を作り出した、私、もしくは私に代わる「行為者」である。ドアは勝手に開く場合がある。それは「いる」で、誰か(文中には登場しない)が能動的に操作した場合は、「ある」だ。

 私の(誰かの)能動的な行為により、ドアは、開いた状態になってそこに「ある」。「あ」らしめた人間が、文外に必要である。

 「この本には名前が書かれています。」

 「この本には名前が書いてあります。」

 とはいえこの文例をもって、上の文には名前を書いた行為者の存在が希薄だが下の文の場合には行為者の能動的行為の想定があります、といっても呂さんは納得しないだろうな。

 ……また、外事処へ向けて走って行きそうになりました。

 金谷先生ならどう説明するのだろうと思い、ふと、バンクーバーへ行きたくなりました。

 あ、バンクーバーへ行くには英語じゃなくてフランス語が必要なんだった。私は、フランス語は勉強して「いません」。フランス語の辞書は埃をかぶって「います」。

 どんどん、わからなくなってきました。

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コメント

ご無沙汰しております。
中国地方では八重桜の季節です。
この本には~の例文に違和感を覚えたのですが、いかがでしょうか。

・この本には名前が書かれています。
・この本には名前が書いてあります。

両方とも「この本」の状態を表していますが、前者には名前に焦点があるように思えてならないのですが、いかがでしょうか。
文法説明ですらないのですが、ひとこと申し上げます。

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