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2014年3月 3日 (月)

クンミンの事件について考える……どんどん不安に、そしてつのる「不信」

 事件を知った時からずっと考えていますが、情報がないということは本当に不安です。雲南省というのは別にウィグルの人の多い地区ではありません。省都のクンミンももちそんそうです。そんなところで、10人(?)の人が組織的・計画的に「テロ活動」を実行したことになります。

 逮捕されたのはネット上で見る限り1人、女です。肩を銃で撃たれていますから回復を待って取り調べが始まり、そうすれば供述内容から色々なことが(普通なら)わかるはずです。が、当局は「現場に残された証拠」から、事件はシンジャンウィグル自治区の分離独立をねらう組織のテロだと断定しました。現場に残された証拠? 犯行声明でもあったのでしょうか。

 いずれにしても、世界には、というか日本に特に根強いようですが、ウィグル族やチベット族の人々への「同情論」、は、この事件で消し飛んでしまうことでしょう。北京・天安門広場での事件や、続いて起こった山西省太原市の時限爆弾「テロ」、それから当地ウィグル自治区の公安局を狙った爆弾テロ、それらについて、「少数民族が受けている差別や圧迫、経済的不平等から来るもので一面では彼らも被害者」という考え方の人も、さすに無差別に善良な人を170人も殺傷するような「テロ行為」について、「同情」の心は保たないでしょう。

 実行犯はそういうことをとっくにわかった上で(全世界を敵に回してでも)行動を起こしたことになります。

 もはや、全中国のすべての鉄道の駅、バスの乗り場、つまり人が密集する全ての場所は安全ではないということになります。その不安が少数民族への怒りに収束していくことはないのでしょうか。ということは、今回のテロはどこまでも不思議です。民族の自治、誇りの回復と、どこまでも離反する行為であるからです。

 当局がウイグル族のテロ行為と「断定」した事件は去年と今年で10件を越しますが、基本的にはシンジャンウィグル自治区内で起こり、去年秋の天安門広場はむしろ例外でした。ただただ稚拙で粗暴な事件もあれば高度な専門的知識を必要とするもの(つまりかなり厳格に作動時刻をコントロールされた時限爆弾)もあり……。

 考えれば考えるほど不思議です。組織的な計画性はなく、散発的に思いついた人が行動しているようにも見えます。そう気づいた瞬間、不安は増加します。

 いや、ちゃんと言うと、不安じゃない、不信、というべきなのかもしれない。

 33日、2学期が始まりました。1年実験班26名、久しぶりに全員の元気な顔を見て、嬉しかったです。

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