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2014年2月22日 (土)

海南島の思い出~沢木耕太郎的な旅は沢木耕太郎にしかできない

Hainanasa  一カ月弱をすごした海南島を離れ、武漢に向かったのが210日。武漢で過ごしたのが4日。ハルピンに戻ったのが214日のバレンタインデーですから、私が一人でハルピンで春の到来を待つのももう一週間を越したことになります。着実に春は近づいてきております。

 今頃になって、あの時あんなことがあったな、こんなこともあったな、と思い出します。

 美食をめぐる旅、綺麗な景色を求めての旅は言うまでもなく魅力的であります。それと同じくらい、人との出会いは印象に残ります。

 村上龍が言った「沢木耕太郎的な旅」であります。沢木耕太郎的、とは面白い。ちなみに私は氏の「深夜特急」を全巻(文庫で6冊)むさぼるように、それも複数回、読んでおります。臨場感のすごい紀行文で、2回目より3回目、4回目、と感動が増す、不思議な書籍でありました。誠に失礼ではありますが、氏のロバート・キャパの伝記より100倍面白い。

 私の、1ヶ月の中国の旅は誰でも簡単にできる、しかも奥さんと一緒の、コンパクトなものであります。

 それでも、印象深いことというのは、ある。

 28日、海南島、三亜。私たちは、高速鉄道でボアオ(チョンハイ市)に戻ろうとしておりました。

 中国の鉄道の待合室は、どこでもいつでも、人であふれている。ベンチに座るのも大変。荷物に座る人が大勢いる。

 私たち夫婦は幸運にも空いた席を2つ、見つけることができたのですけど、近くに非常に変わったファッションの人がいました。20代なかばの女性で、異様に体格が立派だ。肩幅が広い。日本で言うキュロットみたいなスカートをはいているのだけどけっこう短くて、太ももの筋肉が立派であることがわかる。(じっと見たわけじゃない)日焼けがすごい。中国人の女性というのはあんまり日に焼けないが、彼女の顔、それに腕、真っ黒。荷物が、単身の移動者にしては多すぎる。帽子がファッショナブルで、一般の中国人が絶対にチョイスしない種類のものだ。でも間違いなく中国人だ。

 彼女は中国一のリゾート地、三亜から、ボアオか海口へ移動しようとしていた。ひっきりなしに携帯電話を操作し、時計を眺めていらいらしていたが、そのうち、私たち夫婦に向かって、こういった。

 「食事に行く。荷物を見ててくれる?」

 私は中国語で返事ができず、とっさに出たのは英語だった。Sure, I will hold your baggages.

 彼女はとっても優雅な笑顔を私たち夫婦に向けると、立ち上がった。びっくりした。座っている時はわからなかったけど、異様に身長が高い。私(177cm)とあんまり変わらない。

 笑顔のまま、待合室から消えた。私は約束どおり彼女が座っていた椅子に移動し、彼女のバッグ類を引き寄せた。

 でも、1つの不思議に気づいたのであります。

 周囲にはいっぱい乗客がいる。家族連れも夫婦もいる。若いのも中年もいる。彼女は私たち夫婦の会話を聞いて、中国人じゃないと(おそらくは日本人だと)気づいていたはずだ。

 なんで、日本人に、「荷物の番を」依頼する?

 今なお、不思議なのであります。

 15分後、とびっきりチャーミングな笑顔で(京都でホンダ自動車を売る仕事をしている姪っ子にそっくり)彼女は帰ってきて、私に礼を述べました。

 何で、あえて日本人である私に荷物の番を? と聞こうとしましたが、もちろん私の語学力では無理、なのでありました。

 うう~む、それが聞けたら私も沢木耕太郎にぃ~。

 なれるわけねぇよ。

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コメント

日本人の真面目さ 正直さは世界中に知られています。 東北大震災時の被災者の秩序ある姿は中国でも驚きだったようです。 中国人は同胞を一番信用してないということを聞いた
ことがあります。 彼女の選択は的を得ていたということでしょう。

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