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2014年2月16日 (日)

ヤマハのバイクは日本国内生産ですか?

 中国の大学生はすべて寮暮らしをしています。たとえ、学校のすぐ横に家があっても(実際にそういう生徒がいる。タクシーで10分)寮に入らないといけません。

 その大学生がいない。なにしろ授業は2月末までなく、生徒はギリギリまで故郷から帰ってこない。

 中国には幽霊などいませんが、(世界のどこにもいない)思わず、「ゴーストタウン」という言葉を思い浮かべます。もっとも、アパートには管理人さんがいます。私はこのアパートに、管理人さんとたった2人きりであります。管理人さんも生徒の出入りが皆無で(このアパートは外教と留学生専用)暇なので、ずっとテレビを見るかベッドに入って寝ています。

 そもそも、寒すぎます。現在の気温は-22度ですけど、よく晴れているために風で舞い上がった雪か、路上の埃が、朝日に照らされてキラキラ、キラキラ、反射しています。それはそれで綺麗ですけど、その中を徒歩で野菜を買いに行くのが決心であります。

 ところで、ふと、中国のものづくり技術について、考えることがあります。

 たとえば文房具。

 私は、旅先で文房具屋さんがあるとついつい、ふらふらと入ってしまう病人。

 今回の旅でも、有名な英雄の水性ボールペンと、「永生」という(ヨンシェン、と読むのかな)万年筆を買いました。英雄が12元、リフィルが別売りで1元、永生が15元であります。

 英雄の書き味、私がこよなく信頼している京都セラミックのボールペンと全く変わらない。当たり前だろう、京セラだってまさかリフィルを国内生産しているとは思えない。受注先は中国か、東南アジアのどこからだろう。同じものが中国で手に入ったとしても(しかも17円(!)で)なんら不思議はない。ただ、全体の重量バランスはさすがに京セラの勝ち。とはいえ値段が何倍も違う。それに人によっては「京セラは重い。英雄のほうが良い」と言うかもしれない。(きっといそうだ。)

 筆記用具の良し悪しは、書き味、重量バランス、デザインとキャップを閉めた時の「ぱちん」という音の、その信頼感であります。京都セラミックがあのボールペンを2000円か3000円で売るのは妥当だと思うが、中国でその10分の1で売られるボールペンが同等だとしたら、これからの「日本製品」はどうなるのだ。

 リフィルの製造ノウハウはたしかに日本から(もしかしたらドイツ?)もたらされたのかもしれない。しかし「英雄」はまぎれもなくメイドインチャイナ。リフィルの胴には上海徳文金筆有限公司の名前が刻まれている。これが「17円」で、ボールペン完成品としてなら210円で、世界に出回ったら、京セラやほかの水性ボールペンメーカーはどう対応する?

 更に、永生というメーカーの万年筆。日本円にして255円で、まあ日本に帰った時の話のタネに、と思って買ったのであります。アパートで、「博士企業」という不思議な名前のメーカーの、ブルーブラックのインクを入れ、書いてみました。こちらも、実を言うと、すばらしい商品なのであります。クリップに施されたガラス玉の飾りが「ちと冗談が過ぎるかも」と思わせるのでありますが、持ち重りはしないし言うまでも無く書き味はなめらかだし少なくとも日本の街角の文房具屋さんで売られている「形だけ万年筆」という千円程度のオモチャとは根本的に違う。ちゃんと万年筆として、使える。

 万年筆の製造技術はもしかしたら日本から「流出」したのではないかもしれない。でも同じことだ。日本の「ものづくり大国」は大丈夫なのだろうか?」という不安を与えるという点で、同じだ。ウォーターマンもシェーファーもペリカンも(モンブランだけは別)かつて不安にならなかったのだろうか。

 バイクと自動車、それにカメラは、絶対に日本が世界のトップだと、私は思っている。しかしカワサキがマレーシアで、スズキが中国で、ホンダがタイとインドでバイクを作り始めたとき、その戦略は間違っていないとして誰かがふと「技術流出に対する対策は?」と、考えなかっただろうか。そのホンダが高性能のバイクを作ろうと考えた時、目指したのはイタリアのモンディアル・ビアルベロだった。昔々の話だ。今このメーカーはイタリアで健在なのだろうか。金持ちが集まる海南島のリゾートでは、観光客の全員が「ニコン」か「キャノン」のカメラを持っていた。それはもう制服の一部のように、揃ってそうだった。しかしこれからのことは? ニコンはタイでカメラを作りバッテリーチャージャーを中国で作る。車のことは言うに及ばない。中国国内にはおびただしいホンダ車、日産車、もちろんトヨタ車が走っているが、実は設計図とレギュレーションが日本由来で組み立ては中国国内だと、みんな知っている。街を歩いているとどう見てもカローラなのに中国のメーカーの名前が書いてあったりして驚く。でも昔むかし、日本も同じ事をしてきたのだという指摘がある。

 国際分業という言葉がある。日本には資源が無いのだからやむをえないのかもしれないが、それは本当に「分業」だったのか? 国家にとって命より大切なものが単に「流出」しただけなのでは? と考えて、あらためて、ナベヤバイテックさんや岡野工業さんは偉いな、と思うのでありました。

 あれ? ヤマハのバイクって日本国内生産なのかな?

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コメント

先日は大変失礼いたしました。女性が着飾るのは人それぞれ。決して鵜匠になりたくてしおらしげにしている訳ではないのです。
ところで、技術流出についてですが、実に嘆かわしいですね。人件費削減のために、日本は大切なものを失ったようです。東京オリンピックまでに間に合うのでしょうか。

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