« 誰が安倍に「靖国へ行け」と言ったのか | トップページ | 視聴説テストで6人赤点出したりボイラーが壊れたり »

2013年12月28日 (土)

安倍はなぜ靖国を参拝したか、なお考えて

 特別なことは、何もありません。去年の10月は、直接に外事処(大学内の、外人教師の生活上の面倒を見る部署)から「単独での外出禁止」「新中新より遠方へ行く場合は必ず生徒のアテンドを」そのほか、たくさんの指示というか要請が出されました。日本人外教1人につき1人の中国人先生が「安全確保要員」として割り当てられました。私を担当したのは王先生という29歳の女性教諭で、その方の携帯電話番号をメモリーし、何かあったら連絡を取る、ということになっていました。なるほど、市場で私が元気のいい中国人に囲まれ、「お前日本人か、このやろう」と言われビール瓶で殴られるようなことがあったらこの女性教諭が駆けつけて私の額にティッシュを押し付け鈴を転がすような声で「救急車すぐに来ますからね」と言ってくれるのだなぁと思いましたが、もちろんそんな不穏な空気はハルピンにはありませんでした。ただ、ある先生が食堂で「何国人だ」と聞かれ、とっさに付き添いの学生が「この人韓国人ね」と答えたところその人が「そうか、お前らは独島でがんばれ。俺たちは釣魚島でがんばる」と胸を張り嫌な思いをした、ということはありましたが(もしちゃんと「日本人だ」と言ってたらどうなってたか、非常に興味がある)結局何もありませんでした。中国人の先生方や生徒は、「日本人外教を励ます会」を複数開いてくれました。学生は「励ます会」の最後で、「若者たち」や長渕さんの「乾杯」を歌ってくれました。

 とりあえず1228日正午現在、平穏です。去年は尖閣諸島の国有化の問題でしたし、今回は首相の靖国神社参拝で、意味合いが違うのかもしれません。このまま、静かに時が過ぎていきそうな気もします。ただ、調子に乗ることはしないようにします。次、タクシーに乗るときは、「日本人です」とは言わないかもしれません。買い物のアテンドの学生とも、英語で会話したほうが良いでしょう。

 ネット上の記事を読み、何人かの方々からいただいたメールを拝読していますが、安倍がどうして靖国神社に参拝したのか理由は結局わかりません。中韓との敵対姿勢を鮮明にすることで日本にどのような利益が発生するのか私にはわかりません。ただ、一国の首相として英霊に感謝の念をささげる、そのために参拝したという説明はそのまま了解することは決してできません。明白にそれは政治的行為だったと思います。遺族会という票田との関連強化とか改憲への地ならしとか再軍備に向けての世論づくりとか武器輸出三原則を無効化して経済を活性化させようとか、そういう単純なものでもないと思います。そしてこの「英霊」ですが、こんな私でもフィリピンで戦死した叔父への感謝を忘れたわけではありません。毎朝手製の仏壇へ線香をあげる際には父や母とともに、この叔父のことを考えますが、この、大変に理知的な顔をした、背の高い、母の立派な兄に、手製の仏壇でなく靖国神社へ行くことによって「本当の感謝」を表明できる、とは思っていません。

 開き直るわけではありませんがボウフラはどこまでいってもボウフラであります。小さなコップの中で自分や目の前の生徒の就職のことを、あるいは日本留学後の生活のことを考えるのみであります。そんなちっぽけな話じゃない、という声が聞こえてきそうだ。しかし、ちっぽけな人間がちっぽけな頭で考えたちっぽけなことにも意味(と、権利)があるはずだというのが、「民主主義」だったはずだ。

 その「民主主義」が安倍も選んだ。だから消費税は10%でも17%でもちゃんと払う。しかし納得できないことは納得できない。

« 誰が安倍に「靖国へ行け」と言ったのか | トップページ | 視聴説テストで6人赤点出したりボイラーが壊れたり »

旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/589238/58834761

この記事へのトラックバック一覧です: 安倍はなぜ靖国を参拝したか、なお考えて:

« 誰が安倍に「靖国へ行け」と言ったのか | トップページ | 視聴説テストで6人赤点出したりボイラーが壊れたり »