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2013年11月28日 (木)

日本語には文法なんてない、としつこく

 1年生の授業が始まったのは916日。それからたったの2ヵ月半。驚異的なスピードで日本語読解能力と会話能力がつきました。もちろん、「先生、今日ビサイ、ビサイ、是(シー)コンテスト、午後245分、あなた会場に来る、大丈夫か?」みたいな恐ろしくブロークンなジャパニーズですけど、とにかく『会場』と『来る』を結ぶ助詞が『に』であることを知り疑問の終助詞が『か』であることを学習したのですからたいしたものです。成績トップの女子は、(遼寧省のフーシンという田舎から来た)早くも私の言うことを聞き取って皆との橋渡しができます。一日に何度も彼女はみんなに「ラオシーショゥ……」と言いますがそれは「先生はこう言っているんだよ」ということです。去年も今の時期には通訳が1人、誕生しました。不思議なのは、決して1つのクラスにつき1人、それ以上は生まれない、ということです。よくがんばるクラスなら34人と『通訳』が誕生していいと思います。

 本日、その通訳の女子が私に質問。

 「『どうやって家に帰りますか?』の質問の答えは、『バスで帰ります』『地下鉄で帰ります』『歩いて帰ります』ですが、なんで『歩いて』の場合だけ、助詞が『で』じゃなく『て』なのですか?」

 私はついうっかり、「バス、地下鉄は、名詞です。『歩く』は動詞です。だから『で』になります。」そのように説明してしまった。彼女はいったん「わかりました」と納得しましたが、数秒後、「先生おかしいです。」なにが? と聞くと、「『急いで帰ります』は『で』です。『急ぐ』は動詞ですよね?」

 うううううう~む。日本語のことはわからん。『手段』と『方法』について説明しようかと考え、あやういところで思いとどまりました。

 次に、彼女が「動詞の使い方について教えてください」というケースを想定したからです。

 実はこういう場合の正しい教え方を、私たちは東京でちゃんと、研修受けて学ぶのです。『て』『で』が動詞あるいは名詞に続くときのルールということですけど、そこではちゃんと、『歩いて』のように『て』になる動詞と『遊んで』のように『で』になる動詞の区分について、学習する時間帯があったのです。その分類は法則化されております。ところがこの法則にはちゃんと『例外』がある。当然、その例外についても教えないといけない。例外の例外もあります。どんどんと日本語が面白くなくなります。

 日本語を『制度』としてとらえそれについて伝えようとしたとたんに、授業はつまらなくなる。たしかにそれは制度に間違いない。しかし『制度』を好きになる若者はいない。制度が好きです、という人間がいたらそれはもう若者じゃない。

 金田一博士はすばらしい研究者だと思う。時枝博士も大野博士も偉大だと思う。でも日本語にはもともと『文法』なんて存在しなかった。日本の大学の奥深い一室にしか存在しないものが中国の大学の教室で突然息を吹き返してたまるものか。

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