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2013年11月22日 (金)

著作権が限りなく曖昧なこの国で映画監督は

 3年生ビジネス日本語科のクラスでの授業は、「意見を述べる」。

 教科書を生徒の皆さんと読みながら、私はいつものように、「映画と旅行が好き、というヒトに変なヒトはいません」という「意見」を述べました。

 こういうことを日本の友達に言うと、「お前は映画も旅行も大好きだというがお前はじゃぁ、いいヒトなのか」と聞き返されそうだ。

 私は、「変なヒト」ではなくて「悪いヒト」なのですから、何を言われようが平気だ。私は旅行と映画が、大好きであります。

 映画の話で盛り上がりました。私が、「最近見た映画で言うと、陳凱歌監督、葛優主演の『趙家の孤児』が最高だった」というと、ある男の生徒が、黒板前にやってきて、わざわざ「原作は法国の18世紀、60年代の話」と書いてくれました。ううむ、あの物語が、中国の戦国時代じゃなく18世紀フランスでの故事に題材を採っていたとは知らなかった。

 「アジアの宝石とうたわれた2人の女優はコン・リーとチャン・ツイィーだが、男優はやっぱり葛優だね」というと、「頭の形が先生と同じですもんね」という生徒がいてひとしきり笑い声が。

 ある女生徒は、「私の一番好きな俳優は日本人です、小栗旬です」ということでありました。荒川アンダーザブリッジか、たしかにカッコ良くて演技もうまい。私は妻夫木聡が日本の男優の中じゃ一番だと思いますが、残念ながら妻夫木を知っている学生は教室にはいないのでありました。

 ところで。中国には、上に書いた陳凱歌、フォ(漢字が出てこない)建起(ジェンチィ)……『山の郵便配達』『ションヤンの酒家』ね……、昔ほど好きじゃなくなったけどチャン・イーモゥ……『あの子を探して』ね……など名監督がいっぱいいますが、それら名監督を擁するからこそ、中国は著作権にもっと気を使ったほうがいいと思います。これは、はっきりと、申します。「芸術のため」です。

 紅白歌合戦がリアルタイムで中国でネット配信されるのは有名な話で、NHKにどういうギャランティを払っているのかというとそりゃまぁ聞くだけ野暮なのですけど、中国の映画監督がちゃんと仕事をするためには、発表後わずかな期間で(時にはすぐに)ネットで視聴できてしまう、というのは具合悪いだろうと思います。DVDも売られていますけど立派な新作が30元だったり、ちょっと古くなると15元で売られていたりします。「だって、同じものがネットで見られるもん」ということになると、30元だって買わないヒトがいるかもしれない。

 ネットで無料配信されるから映画を好きになるヒトがいる、というのもわかります。今日の教室では、「今まで一番感動したのは『火垂るの墓』でした」という生徒がいましたが、もちろんネット配信のおかげです。でも、本来は製作者の生活、創造の意欲を守るため、著作権はもっとしっかり守られたほうがいいはずです。

 余計なお世話、と言われるでしょうが、でも著作権が限りなくあいまいなこの国で立派に作品を作り続ける名監督達は、たしかに、すごい。

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