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2013年10月28日 (月)

でも、「マナー」について言うなら

 多い、少ないの別はあるにせよ、どのポータルサイトにも、中国か韓国に対するマイナーな情報、ニュースが毎日掲載されているようです。中国人観光客がホテルのシーツや湯沸かしを持ち帰るとか(中国は200vだから使えないと思うが)温泉地からシャンプーやリンスを持ち出すとか、道に唾を吐くとかテーブルの上に魚の骨を吐き散らすとかそういうことであります。

 日常動作のマナーという点ではそうかもしれない。自国でしか通用しない生活習慣を他国で無自覚に押し通すのが間違いだということは私にもわかります。

 ホテルの備品を持ち出すとかいう違法行為は、正直、「本当にそんなことが」と思います。私が接するハルピン市民はおおむね正義を重んじる人々であるからです。

 市内循環バスは前乗り、後ろ降りであります。乗る時に運転手さんの横にあるボックスに1元札を押し込んでから、後方へ移動する。ものすごく混雑する時は後ろから乗る人もいますが、その人は他人に頼んで運転手さんの所まで何とか1元札を届けようとします。私は以前後ろの乗客から他人の頭越しに「チェーン」と言って1元札を渡され、わけもわからず「謝謝」と言いながらポケットに入れたら「ちがうちがう、それはオレの料金だ、前の人に渡して欲しい」と言われ赤面したことがありました。考えれば当たり前だ、私はたしかにかなりかわいそうな外見をしているが、まだバスの中で乗客からお金を恵んでもらうほどの容姿じゃない。あわてて私も前の乗客に「チェーン」と言いつつそれを渡しました。料金は次々リレーされ、しっかりと運転手さんの所まで届きました。

 これは1つの例にしかすぎないわけですが、正義は日本と全く同様に守られています。たしかに同じセーターを値切る客には100元で売り値切らないあるいは値切るのが下手な客には200元で売るということはありますが、それはもちろん正当な商業行為であります。不正じゃない。値切らない(値切れない)人間の不合理なのです。

 痰を吐く、これはもう受け入れがたいけどここは中国だと思うしかない、同じことを日本でやらないように願うしかない。でも中国人には中国人の感想があるようで、以前私がどうにも喉のガラガラを我慢できず、ティッシュにそれを吐き、包んでポケットに入れたら、一緒に歩いていた男子が、「先生! 何をするんですか!」と叫びました。私のやったことは中国では許せない不潔な行為なのです。また、鳥料理にしろ魚料理にしろ、テーブルの上に吐き散らかすのが自然なように調理されています。鶏肉は通常、骨がついている。骨のない鶏肉で料理したかったら、あえて「不帯骨頭的鳥肉」と、言わないといけない。

 中国は美人の多い国、私は一度堀北真希さんそっくりな大学生と食事をしたことがありましたが、やっぱり鮒の蒸し煮を食べるのに何十回となくテーブルの上に「ぺっ、ぺっ」と音を立てて吐いたのであります。それは当地にあって何も不自然じゃない、誰も違和をとなえない。そして彼女は私のアパートに来ると、絶対にそういう食べ方はしない。そこは「日本だ」ということをわきまえているのであります。ティッシュを使うとそれをテーブルの上に放置したり絶対にしない。きちんとくずかごを探す。見つからないと自分のバッグにしまう。

 それだけに、ネット上の情報に接すると、「本当かなぁ」という気がします。日本に、あるいはフランスに行っているのに床やテーブル上に音を立てて廃棄物を出す、という人が本当にいるのかと。でも、いるから、採りあげられているのでしょう。たしかに何千万人も海外へ行くのだから現地のルールに適合しない行動を示す人もいるかも知れない。でもそれが一般的な中国人旅行者の姿ではないはずだ。千人に1人でもそういう人は異様に目立つ、そういうことだろう。昔々フランスの新聞に、美術館の玄関先で転んだ厚底ブーツの日本人女性のことが載ったじゃないか。でも、何万人もフランスを訪問する日本人の中の、彼女はたった1人だったはずだ。こういうことを言い出せばきりがない。以前ハルピンの空港で、ライターを客室内に持ち込まないよう指示した係官に、大声で「なんでだ!」と食ってかかった中年男性がいた。そりゃ日本人だったぜ。私はひそかに、「もう一回こいつが怒鳴ったら逮捕してくれないかな」と願ったけど、要するに私は恥ずかしかったのだ。

 私の住む北海道赤平の家には、何度か中国の社会人、大学生、高校生が来ました。みんな、実に端正に食事をし、シャワーを使い、寝室を利用しました。一部の異常を見て全体を推察するのはいつも危険だ。

 逆に考えるなら。

 私は中国にいるのに、中国のやり方のいくつかが納得できない。例えば口に入れた料理の中に豚の骨があったとする。他人から見える形で吐き出すということがついにできない。ティッシュを口に当て、包みとる。おもむろにポケットに入れる。食事を続ける。

 食事が終わった時、男子の1人が「先生、これを」と言いながら小さなトラッシュボックスを持ってきた。

 ズボンのポケットに豚の骨が入っているというのが、中国では「許せない不潔」なのだと、その時知ったのでした。

 私もハルピンの新聞に載るのかな。

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