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2013年10月26日 (土)

大気汚染について考える、莫言さんの小説について考える

 先日のハルピンの濃霧が生徒の間で話題になっていることを知りました。

 「88番の路線バスが進路を間違って行方不明になったってよ」というものです。

 毎日同じ場所を走っている路線バスが、曲がる交差点を間違えるほどの霧だったのだ。正確に言うと、霧が半分、大気汚染が半分であります。

 さすがに生徒の中には外出をあきらめ、授業で敷地内を移動する以外は寮に引きこもっている者もいたようです。私も、道路を渡るのが怖いので外出はいたしませんでした。そもそも、市政府当局は外出を控えるように呼びかけたのではなかったかしらん。

 その次の日か次の次の日だかに雨が降り、更にそれが雪に変わりました。おかげでだいぶ空気は浄化されたようです。本日(1026日、土曜日)は青空とまではいかないけど、太陽が見えております。

 まだ、秋(冬?)はその入り口。これからどんどんと気温は下がり、12月中旬にはもう30度を超えます。少なくとも昨年はそうでした。じゃぁ、これからいったいどうなるのか。大学敷地内にうずたかく積み上げられ燃焼の時を待つ粉炭は見るからに質が悪く、私が高校教員時代毎日目にしていた赤平や歌志内の石炭とは別のモノに見えます。

 でも、ノーベル賞をとった莫言さんの名作「蛙」に出てくる石炭は、北海道の良質炭を思わせるモノだったけどなぁ。

 「そこには運び出されたばかりの一トンの石炭があった。極めて良質で、つやつやと良く光り、断面には人の姿さえ鮮やかに映っているのだった。」

 ……小説は、それを手押し車で運ぶ王脚という男を描写します。顔が真っ赤で、目ばかりつやつやと光る、太い首を持つたくましい男、そんな描写です。「事件というのは、王脚があまりの空腹に耐えかねて運んでいる石炭を食べたというものだった。これを読んでいる人はあるいは信じないかも知れない。しかし私は親族の名誉にかけて言う、これはまぎれもなく本当のことだ。」

 ……私が訳しました。手元に日本語のテキストがないもので。

 人の姿さえ映しそうな燃焼効率の良い石炭が1960年代には採れたのだ。もっとも、あまりにもカロリーの高い石炭は窯そのものの寿命を縮めるのですが。かといって悪い石炭(粉炭)を使うと人間の寿命を縮める。

 暖房を石油に変えると色んな問題は解決しますが、産油国中国でも自動車用ガソリンの価格は日本とほぼ同じで。ということはやっぱり貴重な液体であるということで。しかも全市的に石炭から石油に切り替えるとなると気の遠くなるようなお金が必要だろうし。

 でも、この、秋の初めのハルピンブルーとはうってかわった濁った空の色は。

 ……難しいところで。

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