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2013年10月20日 (日)

10月20日、真っ赤な太陽を見ながらこの1年を振り返ったこと

 1020日、朝。散歩に出かけようとしてアパートを出、ようやく昇りかけた朝日を見て、息をのみました。

 真っ赤であります。太陽が、真っ赤。

 ハルピンの町は全市的な暖房入りの季節を迎えたのでありました。北京のような中核都市もそうですけど(あ、ハルピンも黒竜江省の省都、中核都市だった)暖房は全部石炭。石油は使いません。豊富な埋蔵量を誇る石炭は市民の生活のために使い、大慶など一部の都市でとれる貴重な石油は、輸出に廻すか他の産業のために使っているのではないでしょうか。

 ちなみに中国の物価はだいたいが日本よりかなり安いですけど、車に入れるガソリンは日本とほぼ同じであります。実に不思議であります。汽油がガソリン、柴油が軽油なのですけど、どっちも日本より安いとは思えない。野菜や果物は日本の何分の1かだし、食事するにしても本日の朝食がわが配偶者様と2人で日本円25円、昨日の昼食が(日本で言うワンタン)2人で320円だったのですから、ガソリンのこの高さは異様であります。

 ともかく、暖房は石炭。20階、30階あるような巨大なアパート群が同じ日に一斉に石炭暖房を稼働させるのでありますから、そりゃ太陽も赤くなります。

 配偶者様と散歩しながら、果物を買うのですけど、本日初めて、露天商の人から「日本人かい?」と言われました。「アメリカ人?」「ロシア人?」「ハンゴーレン(韓国人)?」というのが今までの質問だったので、「日本人かい?」と言われたのにはびっくりしました。

 でもそういうことも含めて、色々なことに慣れてきたのだと思いました。来たばかりの頃、「何国人?」と言われて「リーベン」と返事するのは勇気が必要でした。731部隊が悪行の限りを尽くしたのはここハルピンであります。でもただの1度も「リーベン」と返答して相手の表情がけわしくなるということはありませんでした。どの商店主さんも、にっこり笑って「日本人とは珍しいね」と言ってくれました。

 豚の血が足元を流れる市場にも慣れました。水槽から跳ね出した魚(たぶん鮒)を慌てて追いかける魚屋のおやじさんにも慣れました。片側8車線の学府路の第3車線を完全にふさいでいつも停車している巨大な移動販売車(というか移動する食堂)が実に実に不思議でしたけど、いつしか不思議に思えなくなりました。道路のマンホールや側溝のふたを絶対に踏まないで歩く大事な約束事もいつしか「当たり前」になりました。時にそれは「落ちる」からです。

 赤い太陽がハルピンの冬の「当たり前」になる日は、来るのか来ないのか。

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