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2013年9月 8日 (日)

いつか地下鉄でお寺めぐりをする日

ハルピンの町、毎日工事ばっか。

 工事のために今日は早朝5時から夕方5時まで停電。5時の通電を心待ちにしていたら、午後3時頃に土砂降りの雨がありその時間帯工事できなかったらしく実際の通電は535分。

ビルができ、道路が新しくなり、マンション・アパート群がどんどん高くなります。新中新というちょっとした市場街から北上して秋林百貨店まで伸びるハルピン最初の地下鉄路線。ついに駅ができたようです。試験運行がすでに行われていて、ある人は「商業運転は12月開始」と言い、別なある人は「いや10月には乗れるよ」と言います。私は好奇心旺盛な人間なので、一番乗りしてやろうかと思います。南端の駅まで本学から歩いて10分であります。地下鉄ができたら秋林百貨店はどうでもいいけど、近くにある極楽寺までバスより早く行けます。私は仏教徒であります。しかもありがたいことに、生家が浄土真宗大谷派の檀家だったのであります。日蓮宗や禅宗、天台に真言という皆様は宗派をきちんとチェックされますが、浄土真宗の人間はお寺の形をしていればありがたく礼拝が可能なのであります。まぁそれでも、中国の街の一角に「南無阿弥陀仏」と書いた寺と「南無妙法蓮華経」と書いた寺が並んでいたら、そりゃ前者に入りますが。

 それほど敬虔な信徒というわけではありませんが、日本からEMSで仏壇のお鈴(りん)を空輸し、私と配偶者双方の父母の戒名を紙に書き、朝夕お線香を上げております。(この線香というのも中国ではそれなりの所に行かないと手に入らない。中国の礼拝は『線』香じゃなくて『棒』香だから)

 中国の学生が部屋に遊びに来て、「老師その不思議な文字は何ですか」「これは父母の名前だ」「中、じゃないんですね」「日本人は死ぬと名前が変わるのだ」「老師はどういう名前になるんですか」「そりゃまだわからん」そのような会話を交わしました。彼は私の動作に倣い、見よう見まねでお線香を上げ、礼拝してくれました。もちろん彼が仏教徒だとは思えませんが、そこは浄土真宗大谷派のありがたさであります。

ちなみに中国ではどこのお寺でも、門前には、参拝客にお金をねだる人がいます。片手のない人、片目のない人とかいますけど別にどこも悪くなさそうな人もいます。私は要求されるまま1元札をあげますが、参拝客全てから1元を受け取っているとしたらなかなかの収入であります。私のポケットには使い道のない5毛札(1元の半分)1毛硬貨などありますが、これをあげたらどんな顔をするかしら。インドのお乞食さんは、平気で「冗談じゃねぇ、これじゃ少ない」と言いますけどね。

1元……タクシーの初乗りは8元、公営バスがどこまでいっても1元なのですから、インドのお乞食さんより明らかにヨイ相場であります。あ、こんなこと書いてたらバチがあたる。

 ところで、今日は日曜日、遅めの散歩をしていたら中国の学生から声を掛けられました。

 「先生おめでとうございます」

 え? 誕生日は2ヶ月前に終わったよ。

 「何言ってるんですか奥林匹克のことじゃないですか」

 あぁオリンピックね。それがどうしたの?

 「トンジンに決まりましたよ」

 ええ~っ!

 「本当に知らないんですか?」

 知らない。2020年には君はいくつだ?

 「27歳か28歳ですね。先生は?」

 はた、と考えました。69歳かぁ。父は64歳で死にました。関東大震災の年に生まれた母は阪神淡路大震災の翌翌年に死にました。74歳であります。

 私は……。

 とりあえず線香をもう一本。

 あ、日本の皆様、五輪招致成功おめでとうございます。

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