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2013年9月24日 (火)

誰かを選ぶということはそれ以外の人を「選ばない」ということ

 923日は、4年生の仲良しグループ4人組が「食材を買ってご飯を作りに行ってあげます」と約束してくれていた日。

 午後5時、彼女ら登場。

 スープと炒め物3点、蒸し物1点、いわゆる中華の家庭料理ですけど、とてもおいしかったのはいつもの通り。

 記念撮影して卒業論文や国慶節の旅行、浙江省や湖北省がひどく暑かったという話をしながらの食事。食べながら1人が「先生この間面白い写真を撮りました」と言いながら携帯電話を見せてくれたら1人が教室で休み時間にぐっすり眠りこけている様子が撮影されており、撮られたその人が携帯電話を取り上げて画像を削除しようとしたりして大騒ぎとなり、まずはとても賑やかで楽しい食事会、談話会となったのでした。

 4人とも日本語がとても達者で、日本語ネイティブと同じように意思疎通ができます。

 食器も洗い終わって台所を清め、あとはおしゃべり、という時間帯となってしばらく、1人がこのように切り出しました。

 「中先生の通訳が、ここにいるUさんじゃなく41組のJさんになったのはどうしてですか?」

 あぁやっぱりその話題か、と思いました。

 私は教務担当の先生から2人の推薦を受けていたのですが、即決でJさんを指名したのでした。彼女らは、ご飯を食べさせてあげようという気持ちももちろんあったのでしょうが、基本的には同じ寮の同じ部屋で3年以上を暮らしたUさんを私が選ばなかったことが納得できないのだ、というわけなのでした。

 私は、去年から正規の助教さんの代わりにJさんが入ってくれることもあったこと、彼女は英語の検定も日本語検定も最上級に合格済みで、就職希望だから秋から冬にかけて比較的暇なこと、それに比べてここにいるUさんは成績にも語学力にもなんの問題もないが、1月に留学生試験を控え日本行きの準備で多忙を極めること、などを説明しました。彼女らはすぐに納得してくれましたが,Uさん自身はそのことについて何も言わず、ずっと黙ったままでした。

 中国人にとってプライドというのは何より大事なのだ、と思いました。実質的にUさんJさんが私の授業の通訳に「立候補」してくれたわけですが、私はそのどっちかを選ばないといけなかったわけです、そして、何かを選ぶということは片方に向かい「あなたはいらない」と無惨に宣言することであったのでした。もちろん、「あなたはいらないわけではない、有能だしこれからも頼りにしている、ただこういう事情が……」というふうに説明することはできます。でもそれはあくまで「説明」です。

 寮の門限ギリギリになって、彼女らは帰っていきました。「国慶節の後半には一緒にお寺か孔子廟かどこかへ行きましょう」という新しい約束ができました。当のUさんが今度のことをどう考えたかわかりませんが、余計な弁明はしないでこれからの関係をつくっていくしかない、と思いました。

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