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2013年9月24日 (火)

外国人の話す母国語を聴いて理解しようとする生徒は

 新入生と会話していると、色んな事がわかります。慣れない言語で意思疎通するということがどういうことか、です。

 教室で授業中はどんなことがあっても中国語は使いませんが、授業が終了し廊下や食堂での雑談となると、私だって下手っぴぃな中国語を使います。もちろん、「この間の中秋節休暇には帰省したのか?」「じゃぁ次の国慶節には帰るのか?」「家までハルピンから鉄道で何時間かかる?」みたいなごくごく単純な会話です。

 初めのうち、全く通じません。黒竜江省は中国一発音の綺麗な地域。北京よりずっと美しい、欠点は違うイントネーションを理解しようとしないこと、とよく言います。実感としてよくわかります。「日本から来た外教ですか?」「そう。日本から来た外教」と、相手の言うことをオウム返ししているのにそれが通じないということがあります。ついつい、「ちったぁ合わせろよ」と、我が儘なことを考えます。

 でもだんだん合わせてくれます。

 日が経つうち、外国人との会話というのはどういうことなのか、だんだんわかってきます。

 おそらく、生徒達には日本人であろうとロシア人であろうと外国人との会話経験などないのです。ですから自分たちの、中国一綺麗な発音レベルで聞き取ろうとする限りそんなのわかるわけがありません。

 でも考え始める生徒が出てきます。

 中国の「シ」には何十という目もくらむような発音がありますが、日本人の耳には同じ「シ」であってもそれは彼らの中では厳格に区別されています。たとえばxiのシとshiのシと、それぞれに高、上昇、低、下降の4声があり単純にこれだけで8つのシがあることになります。もちろん通じません。しかしそのうち彼らは考えるようになります。

 「待てよ、この外教は日本人だから中国人のように厳密に発音区別ができない、いま外教はタァシィウォダチーズと言ったがそのシィは何だろう?」

 で、彼はxiの4つとshiの4つ、合計8つのシの中から文脈に合うのを探してくれます。(目を見ていれば彼の脳の中で意味のサーチが行われていることがわかります)その結果、shiの第3声調、つまり『是』だということを発見し、文の意味が「これが僕の妻だ」というようにただしく理解されます。

 恐ろしいことですが、この手順を発見し、意味のスキャンを早くスムーズに始められる生徒かそうでないか、以降の成績の推移と完全にシンクロしています。つまり、日本語の習得も早い、ということです。

 今日は、ひらがなの読み取りテスト。26人中の10人は、全部の文字を見て読みを正しく解答できましたが、一番たくさん間違った生徒は16のひらがなでつまずきました。無理ありません。まだ6日目です。

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