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2013年9月16日 (月)

1年生の授業始まる……互いへの鮮度を失わないために

 やっとのことで授業が始まりました。「あ、い、う、え、お」を、一心不乱に大学1年生が合唱します。複雑な音韻を連続させて意思疎通する中国語ネイティブの特徴でありましょう、ものすごく耳が良いのであります。逆に良すぎて、私が発音する「なー」が、AさんBさんCさんDさんに要求した時とEさんに要求したときとごく僅かでもずれると、「ん? ちょっと違うぞ」となるのであります。たぶん「違う発音したんじゃ当たり前だろうが」と言われそうですけど、それはそれは微妙な違いなのであります。中国人が聞くと違う音であります。

 そして、「なにぬねの」と「らりるれろ」が交錯する人がいます。遼寧省の一部と、湖北省の一部に多い。

 それでも数週間が経つと、そのクセというか苦手は、見事に消える。その変化は本当に一緒にやっていて楽しいのであります。

また、熱心なのは良いのでありますが、「それじゃ1人ずつやって貰うね。★さん立って。か行を上から順に読んで」と言っているのに、★さんじゃない人たちまでが大声で発音する始末であります。誰が言っているのかわからない。

 私が担当する1年生、26人。聞かなくて良いのに、通訳さんが「この中で初めから日本語が希望だったという人は?」と聞きました。予想通り、34名でありました。残りは英語とかロシア語とかを点数不足で落っこちた人、あるいは建築学部みたいな人気学部を落ちた人であります。偉いのは、そういう人が教室に入ったらウジウジと「第1希望じゃない」なんて決して言わないということです。ぱっと気持ちを切り替える。甚大な好奇心を示し、一心不乱に勉強する。「あいうえお、を5回書いて」と言っているのに時間がある限り100回でも書くからノートはすぐにいっぱいになります。

 しかし、やがてその鮮度は落ちます。私という、おそらくは彼らが初めて接する生身の日本人への興味関心はあっというまに半減する。なくなる。日本語への興味は残念なるかな、かなりの部分、この日本人外教というへんてこりんなストレンジャーへの興味と一致するのであります。

 幸いなことに去年の1年生は最後までそうなりませんでした。お互いへの関心、その鮮度は高いままで1年を乗り切ったと思うのであります。

 私はごく無内容な人間ですから、次から次から関心を持ってもらえそうな話題も展開できない。中居正広さんのような芸はないし木村拓哉さんのような男前じゃない。鮮度は落ちる、みるみる落ちる。そうすると26人の日本語の勉強は地獄になるだろう。

 それを防ぐ方法を一心に考えます。

 たぶん、こっちが、中国人である彼らに対し、興味の鮮度を失わないということだろうと思います。毎日、8人の男と18人の女の中に新しい何かを発見し続ける。それは、可能であります。

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