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2013年8月29日 (木)

今年の1年生は軍事教練をやらない?

 中国の大学には、いくつか日本のと大きく違う点があります。

 もちろん、「全寮制」。

 日本の高校3年生とその保護者に向かい、「たとえ家が大学に隣接していようと、4年間しっかり寮に入って貰います。寮は16人もしくは8人で、生活・清掃については補導員という名の舎監が日常的に点検します。消灯は10時でそれ以降は壁のコンセントも使えません」というと、その大学の志願者はかなり減るかもしれません。

 もう1つは、軍事教練です。でもこれは前回書いたように数年前と比べ、大幅に短くなりました。予定では、今年は10日程度。内容も昔と比べかなりソフト。

 間もなく1年生が寮にやってきますが、中国人のある先生から、面白いことを聞きました。今年の1年生は、軍事教練を経ないですぐに授業に突入するかもしれない、というものです。

 私は言いました。「なるほど。中国の文教界には昔から『軍事教練を廃止して本来の責務である研究をやらせろ』という主張があると聞いていますが、そういう方向に転換するのですね? 英断だなぁ。」すると、その先生は「全然違います。」

 原因は、「洪水」なのだそうです。

 黒竜江省中・北部をはじめとする洪水被害の早期復旧のために、武装警察や軍隊が多忙を極めています。大学新入生のための指導者確保が難しいのです、と語られました。

 たしかに昨年は、1クラスに1名か数名の軍人がつき、軍事訓練の指導をしていました。ほんものの軍人(武装警察を含む)であるこの人たちはたいへんカッコ良く、初めは生徒は怖がっていますがやがてすっかりうち解け、仲良くなり、最後の日には肩を組んで写真を撮ったりしていました。またこの人たちは5月の運動会にもやってきて、武闘訓練の一部をエキジビション、さかんな拍手を浴びているのでありました。私が授業をしていたクラスにはOくんというものすごく性格の明るい、人なつこい19歳がいたのですが、一時期日本語の勉強に真剣に悩みを抱え、「先生、僕は大学をやめて軍隊に入ろうと思います」(これを『参軍』という)と真顔で語ったことがあったのでした。1年生の軍事教練で本当の軍人さんと触れ合ったことが大きいと思います。そののち彼は両親に説得され、日本語の勉強を続けますが、大学生活が思うようにいかないとき、軍隊という選択肢もあるな、と思いつく若者はもちろん少なくないでしょう。

 その軍事教練が、もしかしたら本当に今年は「ない」?

 実は、私としては軍事教練を待たずに、すぐに授業を始めたいのです。日本語の教員なのですから当たり前です。9月いっぱいで平仮名・片仮名を全部覚える、書ける、読める、そこまでは一気にやる、決して平仮名片仮名の習得が、10月はじめの国慶節をまたいではいけない、というのが基本的な目標ですから、軍事教練はない方が私としては喜ばしい。でもそれは彼らの人生設計とも中国の大学が今まで営々と実施してきた「伝統」とも無縁であります。ホントにちっぽけな個人的希望です。

 さて、結果はどうなるか。来週初めには答はでています。

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