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2013年6月30日 (日)

雨よ濁り濁れる川に降る終わり無き雨よ

 ハルピンには雨期が存在します。来る日も来る日も、雨が降るのであります。

 どんな晴れの日にも、心ある人は傘を持って出かけます。そしてかなりの高確率で、それは役立つことになります。空の大半がどんなに突き抜けるように青くても、一角に出来た暗い雲は瞬く間にその青みを押しのけ、世界をその暗がりで浸食します。雷が鳴り、それは1954年の11月に東京芝浦に上陸した巨大な火を噴くトカゲのようにどんどん人間の生活の場所に近づき轟音と閃光とをもたらします。

 ……って、おぉ気がついたらディケンズのような文章を書いていた私。日本語教師を終えたら作家になろうかしら。

 とにかく6月に入ってずっと雨期であります。1日じゅう雨が降るということはございません。激しい雨も女性の怒りのように理不尽にやってきたかと思うと唐突に去ります。裏切られたような戸惑いを男の心に残して。

 ……あれ? ディケンズから同人誌の悪文にまで落ちちゃった。

 雨というと、思い出すのが、昔むかし、書いた戯曲であります。太宰治と山崎富栄の心中行をずっとなぞって、最後は雨中の服毒、入水までを女性の1人語りで演じさせる。

 題名が「雨よ濁り濁れる川に降る終わり無き雨よ」。

 佐藤信さんから、「うちの劇団でも演じようかと思ったけどあまりにも書き換えなきゃいけない部分が多くて諦めた」と言われた。また、「この作者は芝居の脚本を書くのじゃなくNHKの教養番組の台本でも書けばいいのに」とも言われた。

 秋浜悟史さんから「この脚本を書いた人は人間観察が足りない」と言われた。

 別役実さんは見てくれたけどコメントしなかった。つまり無視。

 この1人芝居を演じてくれたK田さんは当時、なんとなんと17歳。劇団を離れ、そののち2度結婚した。現在は大阪府吹田市で、おだやかなご主人と幸福に暮らし……もう芝居をする気はないだろうなぁ。彼女も40歳をすぎちゃった。

 17歳の女性のために2時間の脚本を書き、兵庫県尼崎のピッコロシアターで上演しちゃう体力が当時、私にあったのだ。すっげー。

 ……って、思い出話書いてると雨があがりました。

 典子さん(劇団での呼び名が『かんすけ』さん、またメールください。

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