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2013年6月12日 (水)

斉斉哈爾は広大な湿原に囲まれて

 本当に軽い会話から、休みの日の計画ができます。

 「君の故郷はどこだ。」

 「斉斉哈爾です。」

 「チチハル? きいたころあるな。」

 「丹頂鶴(ダンディンファ)と焼き肉が有名です。」

 「おお、そりゃ行かなきゃ」

 そんな軽い乗りです。もしもクラスに「自分の故郷はウルムチですけど」「グリーンランドのイヌヴィックですが」とかいうのがいても、おなじ乗りで「おおそりゃ行かなきゃ」となるでしょう。だいたいじっくり考えて行き先を選ぼうが衝動で決めようが旅行の感動に違いがあるわけがありません。多く、後者の方がのちのち印象に残るよい旅ができます。

 チチハルは、ハルピンから西北西へ汽車で3時間弱、むやみに広大な湿地の中にある小都市であります。たしかに丹頂鶴は形と仕草が美しい、愛らしい鳥でありました。胴体にくらべて頭が小さく、それなのに人間の意図を理解しよく言うことを聞く。(あ、頭の大きさの問題じゃないか)

 焼き肉は中国の他の都市でも日本でも食べられない不思議な香辛料の利いた、さすが名物とうならせるものでありました。おいしかったけど高く、生徒の故郷を訪問するということはこういうことなのかと、ちょっと考えた次第でした。日本とは金の使い方が違う。丹頂鶴の鑑賞費用は湿地をえんえん鶴さん達の食事場所まで案内する園内バスの料金込みでたぶんひとり100元ぐらい、焼き肉代がひと皿30元ぐらいを10皿ほど、ぜんぶ生徒の母上様の負担でしたので、とても申し訳なくまたありがたいのでありました。ありがたいと言えば全く思いがけなく、市内で一番大きなホテルを取ってくれたのですけどその宿泊代(たぶん400元ほど)も母上様が出してくれました。えらいこっちゃ、どうしようと思いましたが、日本へ行って8月に帰ってくるとき、彼女には何かお土産でもとか考えるのでありました。かけた迷惑からして、ゆかた1着くらいプレゼントしてもおいつかないのだ。

 会話は全く不自由ありませんでした。1年生でもこの時期にはもう立派に私と母上様の通訳ができちゃいます。「いつだったか、伝染病か気候の変化か何かで保護区の丹頂鶴が50羽ほど死んだことがあったでしょう、その時、どうしたんですか」のような複雑な会話でも、大丈夫です。いよいよわからなくなると、「先生済みませんちょっとわかりません」とちゃんと言ってくれます。

 斉斉哈爾の駅に迎えに来てくれたのが叔父上の(49歳だった)アコード。「この車を選ばれたのはなぜですか?」と聞いてみると即答で、「1番目、乗り心地が良い、2番目、日本車だから、3番目、性能が良い、以上」とおっしゃいました。本当です。私は日本の国も中国も好きです。日本人は工業技術をもっと誇って良いと思います。アメリカはものすごい汚いやり方で世界のトヨタを叩いたけど、中国のどの都市でもトヨタ車は大量に走っています。もちろんこの生徒の叔父上のようにホンダ車を愛する方もいるし、日産もマツダも愛されています。ただタクシーとなると90%が安物のワーゲンで(ジェッタが多い)、とても悔しい。不思議なのは、2輪の車がほとんど中国製だということです。カワサキどうした! ヤマハどうした! 中国の道路はとても悪いので、(穴ぽこがいっぱい)サスペンションの輸出だけでも一財産つくれると思うが……。

 市販状態で『世界最速』は2輪でも4輪でも日本製です。言うまでもなく隼とGTRね。隼はともかくGTR900万じゃぁ本当はとても売れない車だという。ざま見ろ。中国でポルシェ、走ってはいるけど1日に1台も見ないぜ。

 あ、話がどんどん……。

 黒竜江省中西部の湿地はものすごく広い。もう日本では北海道東部にでも行かないと見られない地平線がどこまでも広がっています。そして驚くべき事にその地下深く、石炭床と原油床が眠っています。

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