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2013年6月17日 (月)

村上春樹さんが朝日新聞に寄せたエッセイ「魂が行き来する道筋」について知ること

 3年生の「日本文学選読」の授業では毎回確実に宿題を出します。中国の大学生はめったにこういう作業について文句を言いません。きちんとこなします。ただ寮の部屋で写しあったりはするようで、奇妙な同じ間違いが複数のプリントで見られる、というようなことは、あります。

 村上春樹について知っていることは? という問に、●さんという女子生徒がおそろしく長い作文を書いてきました。

 中国人は、作者の人的評価、というか「知名度」「権威」で作品を評価する。だから権威ある人の小説でないと読もうとしない。しかし日本人は作品そのものの内容で評価する。村上春樹や東野圭吾はそうやって日本で人気を博した。それが中国での評価にもなった。そうやって私たち中国の若者はこの作家達を知ることになった。

 ……つまり●さんは中国人の小説選び、小説家選びについてある種の疑問を持っているのだ、とわかりました。

 全く知らないことが書いてありました。

 尖閣諸島(という言葉を、彼女は使った。普通の中国人のように、釣魚島とは言わなかった)の問題があった時彼は朝日新聞に、「魂が行き来する道筋」という文を発表した。中日両国の小説は想像力の道筋だ、それが閉ざされない限りふたつの国の関係は改善されると、私は信じている。

 ……クラスで12番という読書家である彼女にして、このような文を書くことが可能なのだと思いました。早速、インターネットで検索して朝日新聞のこの記事を読んでみました。彼女が言ったとおりのことが書いてありました。昨年の例の問題の時、村上春樹がこのような記事を新聞紙上に発表していたこと、私はうかつにも知りませんでした。非常に恥ずかしい。中国の女子大学生の提出した宿題から、私は知ることになったのでした。

 朝日新聞の記事が中文訳されているとは考えにくいので、彼女は日文でこれを読んだのでしょう。そのこともスゴイ、と思いました。そして、彼女自身、彼女の存在そのものが、『魂が行き来する道筋』なのだと、思いました。

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