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2013年5月13日 (月)

松花江のフナさんとても美味

 日曜日には1年生が2名、アパートに来てご飯を作ってくれました。今さっきまで動いていたようなフナを持ってきて、長時間油を上からかけ続け、だいたい火が通ったところで更に別の鍋に移し、香辛料のたっぷり入ったスープで煮るのであります。ずいぶん長時間、彼女はせまい台所でフナくんと格闘しておりました。

 フナ、中国語ではこれを魚へんに即と書いてジィ、ジィユゥという。発音は非常に難しくて私が魚屋さんへ行っても絶対に買える、注文できると思えない。

 フナくんは黒竜江省七台河出身の歌のうまい女子が担当。もう1人の女子はあっというまにサラダを作り終え、私と雑談。フナくん担当者の方は「時間がかかってすみません」と、油をかけながら詫びます。

 もちろん、すばらしく美味でありました。ずいぶん多様な香味野菜を買ってきたものだなと思いましたが、それは結局無念そうに油にやられ目を見張ったまま息絶えたフナくんのそばに、死者を弔う花のように添えられるのでありました。

 フナくんだと思ったら、フナさんなのでした。おなかに、大量のオレンジ色の卵を抱いていました。私は頭部と内臓それに中国語では米へんに子と書く、ズゥ、なる魚卵をいただき彼女らは背中や尻尾をとって行きました。どうやらそれが年長者に対する礼儀であるような? 浮き袋が大きく、とても興味深い食感でした。

 この味を忘れることはとうぶん無いだろう、と思いました。次は私が調理して食べさせてもよろしい。

 「とても新鮮だから生魚片で食べることはできないか?」と聞いてみると、彼女らは口を揃えて否定。「都庁ビルから飛び降りても生きて帰ってこれるか?」と聞かれたときのように確信を持って私の疑問に返答。

 もちろん強行する気はありません。油調理したフナさんで充分おいしいですから。

 ジャガイモと中国産の不思議な堅さの長ネギの煮物、絹豆腐とピータン細片の和え物。

 別れるとき、お礼として私が差し上げたのが、源氏物語絵巻の絵はがき、3枚だったのですが、彼女らはそれに大変感激してくれました。申し訳なくなるほど、感激してくれました。

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