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2013年4月17日 (水)

福州かもめさんへ御礼、そして天才三島由紀夫のこと……

 福州かもめさん、コメントありがとうございました。ハルピンはいまだ早朝は氷が張る気温です。

 あたたかな気候の御地で、平家物語を読まれる福州かもめさんが目に浮かびます。私は誠に恥ずかしいことに全文を読破したことがなく(日本では国語の教員だったくせに)ドラマチックなところだけを拾って読む、という悪い接し方をしておりました。大学で専攻したのがそれよりかなり違う時代の作品だったというのは……これはあまり言い訳にはならないですね。

 三島由紀夫のこと……。

 福州かめもさんが挙げられた作品はどれも名作ですね。三島の文学は何かボンネットの中が部品でぎっしり詰まったホンダのクルマみたいで「もうっちょっと遊びがあっても……」と思うのですが、もちろん名文家であることは間違いないと思います。

 197011月の事件がもしなかったら……と考えることには全く意味がありませんが、でもどうしようもなく、時に言ってしまいます。ノーベル賞を取れたかとれなかったかというのはどうでもいいのですが(それもまた意味のない問い)歳を取り、少し歩みを緩めた三島の文章も読んでみたかったな、と考えたりするのでありました。本田技研だって、1300クーペ9sみたいなとんがったクルマばっかり作っていたけどやがてはレジェンドみたいのもちゃんとリリースしたのだから。(あ、そいう問題じゃないか)

 そういう意味で、三島本人は自分の代表作とは考えていなかったようですが「潮騒」が好きです。

 「午後の曳航」に登場する猫の解剖シーンは、神戸の事件で少年がやったことと奇妙に符合します。

 三島は、皮をはいでまだメスを当てる前の猫の腹部について、「小さな心臓が家庭的に脈打っているのが肋骨を透かして見えた」と述べます。そして更に重要なことは、解剖を続けながら14歳(!)の少年が配下の少年たちに語る言葉です。

 この猫は、僕らが別な世界へ行くための、扉なんだよ。

 美しいが不気味な文章です。え? 少し違う? わざと変えてあります。

 神戸の少年はダンテの「神曲」を読むくらいなのだから三島の午後の曳航を読んだって何も不思議はない、といっても今なお誰も聞いてくれません。でも私は確信しております。

 まぁ、事件の大きさに比べてごくごく微細なことではありますが。

 共同体と個の関係について……全く同感です。さすがに、ただただ個の内部に向き合って書く太宰タイプの作家はいなくなったと思っていますが。

 あれ? 私が知らないだけで……。

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コメント

心底俗物なんだね。ネットにはファンだって大勢いるんだからさぁ。そのオツムで三島なんか人前で話題にしないで欲しい。どうかんがえても暇なクズおやじが国外で日本の恥さらしているだけなんだから。

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