« 映画「バベル」再考 | トップページ | 3年生と「伊豆の踊子」を授業 »

2013年4月28日 (日)

アナログ人間敗北、海より深く反省

 中国では携帯電話は命より大事なものらしい。

 日本の携帯電話というのはそりゃひどいもんだと思います。意志の軟弱な私のような者にはとくにイケナイ代物だと思います。約束というものをしっかりとしなくなりました。適当に打ち合わせ、「それじゃ何かあったら携帯に」ということに、なっちゃいます。携帯電話が私に教えてくれたことというのは「お前には友達がいない」ということ、それのみ、でありました。それはそれで貴重な教示ではありましたけれど、(実はそんなこと前々から知ってた)NHKの教養番組と同じで、想像力を鋭利な状態に保っておくためにははっきりと、無い方がよろしいのであります。

 人によってはこれで何かの支払いをする、道案内をさせる、というのでありますけれど、私のエクスペリア(古いねどうも)にそのような機能があるのかどうか存じ上げません。まぁホテルの予約をしたり飛行機のチケットを取ったりすることは、できるのでありますが。

 私の好みで言うと、旅行なんてものはできることなら歩いて、(ホントに歩いて日本列島を縦断する人がいるらしい)それも草鞋をはいて手っ甲をつけ脚絆をつけ、荷物を肩で振り分けにして「どうでぇ喜多さん、ちぃと乙な年増じゃぁねぇかい」なんて言いながら東京から京都へたどるのがよろしいのでありますが、ふと気づくとその脚力もないようなのであります。なお気づくと、ちょん曲げを結う髪の毛もないや。江戸時代のご隠居の中には髪の薄い、私のように無い人もいたと思うけど、曲げなんかどうしたんかしら。

 まぁとにかく私は、アナログ人間で死ぬことになりましょう。

 中国ではそうはいかない。

 河北師範大学で仕事をしている同じ日本外教に、あるものを届けたのであります。速達便で15元といわれましたから日本とそんなに変わりません。師範大外教の個人携帯電話の番号がわからなかったので、河北師範大学の電話番号を書いたのでありましたが、発送から4日して電話がかかって参りました。

 「中寛信ってあなた?」

 「はいそうですが」

 「あなたからの荷物、こっちに届いてるわよ」

 「そりゃどうも」

 「※☆▼□さんの名前が書いてあるわね、これが収件人ね」

 「はい、彼に渡してください」

 「渡せない」

 「そりゃどうして」

 「だって彼の電話番号書いてないもの」

 「日本人外教は1人しかいないはずだけど」

 「渡せない。携帯の番号言いなさい」

 「知らないんですよ。外国語学部の日本語科の日本人外教の……」

 「渡せない。調べてそっちから電話かけて」

 がちゃり。

 まぁメールで連絡を取り、品物はちゃんと手元に届いたのではありますが、ちょっとその人を学内で捜す、という便宜をはかってくれて当たり前、と考えると、もうそれは「日本だけの常識」なのであります。個人の電話番号を書き、発送する。大学はそれを受け取り電話で彼を呼び出す、そやってようやく送付用件が完遂される。

 げげっ。それじゃ私がもし携帯電話持ってなかったら、小包も受け取れないってこと?

 アナログ人間、敗北~。

« 映画「バベル」再考 | トップページ | 3年生と「伊豆の踊子」を授業 »

旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/589238/57263444

この記事へのトラックバック一覧です: アナログ人間敗北、海より深く反省:

« 映画「バベル」再考 | トップページ | 3年生と「伊豆の踊子」を授業 »