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2013年4月16日 (火)

DEVILさんへの長い手紙

 お久しぶりです。進級おめでとうございます。今年は何人が入学したのでしょうか。どんな新入生なのでしょうか。英語の★先生、もう少し若い同じ英語の■先生、商業科の※先生、転勤しちゃいましたね。

 できれば近況など、

naka19510703@yahoo.co.jp

 まで教えてくれるとありがたいです。

 寂しさの海に溺れ、そうして匿名性の海に溺れる人は大勢ネット上にいます。というか、そういう人が過半数でしょう。フェイスブックには「原則実名」を守っている人が大勢いて、その点ではミクシィより先進的かしら、と思うのですが、残念ながら中国の私の回線からはフェイスブックにアクセスできません。コメントはおろか自分のページで近況報告も閲覧すらも、できません。まぁ中国にはqqシステムがあり、そちらと競合するからかもわかりません。本当の理由は不明です。

 ネットユーザーはその多くが匿名性の海に埋没することを喜んでおり、その限りにおいて安全だと思って色んな事を書き散らすのですが、書けば書くほど寂しくなるものだということにも皮膚感覚で気づいています。しかし他に寂しさを紛らわす方法もないものだから、ますます海は深くなり岸は遠くなります。

 こんな事を書くと、また再び、あまり家族には読まれたくないコメントをぶつけてくるライターが散文的に湧いてくるのかもしれませんが、その人のエネルギーも基本は「寂しさ」です。

 寂しさと退屈と、この2つは非常にやっかいです。DEVILさん、私が老年の域に達して気づいたことは、退屈というのは恐怖だということです。そしてあなたくらいの年齢の時に寂しさに立ち向かうアイテムを模索しなかった人は(読書とか、旅行とか、あなたのようにダンスとか、その他の創造的な趣味とか)中年を過ぎてから恐ろしい退屈と寂しさが形のある不安となって襲ってくる、そのことを実感するのだと思います。そのために多くの『産業』が日本には用意されていますが、基本的に産業なのですから対価を要求します。

 対価を用意する以上、よほどの金持ちでない限り生活の他の部分を犠牲にすることになります。

 退屈と寂しさと、それに襲われる人は否応なく自分の中に生来あった不安と向き合うことになります。あの芥川龍之介が、「将来に対するぼんやりとした不安」と呼んだ、そして死の直接の原因となった恐ろしい不安です。それに徒手空拳で向き合うことになったら、私は絶対に耐えられません。私は御存知のようにとっくの昔にオジンとなりましたがそれでも耐えられません。その退屈と不安から逃れるために私は走り続けています。中国から帰ったらバンクーバーからホワイトホースへ48時間500カナダドルの旅をしますが、立ち止まったらあっというまに上記2つの人生のやっかいに追いつかれます。そして追いつかれてしまった老人がわけのわからないしかし際限もないほど巨大な不安に駆られて周囲にどんな迷惑をまき散らすかということについても、私は学習しました。そういうオジンになりたくないものだと思います。

 DEVILさん、あなたはきちんとした趣味とパートナーを持ち、きちんと物事を考える人ですから安心して私は自分の考えを言うことができるのですが、たとえば中学、高校と人一倍勉強して偏差値は高いが寂しさから逃れるアイテムを模索しなかった、そういう人は人生のどこかでそれに向き合うことになります。ネットは強力な発信装置ですからパソコンがある限り寂しさはいっとき遠くへ去るように思えます。なにより、天文学的に多量のユーザーがいます。誰かがその人の発信に関心を持つかもしれません。

 しかし何かを発信するために情報が必要です。それも、新規の、手あかの付いていない、もの珍しい、誰をも驚かせることができるようなものであれば、上等です。

 こうしてあなたの言う、考えられない非行の告白、が「情報」としてネット上に舞うことになりました。健全な「情報」では発信しても多くの人とはつながりあえない、と思ったのかもしれません。そして言うまでもなく言葉という形を取る、とらないは別として情報とは自分自身、ということです。その人は自分自身とは何かということを自分で自分にわからせようとして「非行」と「逸脱」を日常に刻んだのです。

 それが目的です。

 ……ダイエーの出入り口で高校生に絡むような田舎ものはコメントするに値しないですね。

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