« ハルピンに自販機が林立する日 | トップページ | 世界最高のスポーツカーがポルシェカイエン? なんでFT86じゃないんだ »

2013年3月30日 (土)

理解するためには願望することが必要だと荒巻は言った(のかなぁ)

 「理解だと? 理解なんてぇものは、おおむね願望に基づくものだ。」

 ……映画『イノセンス』で、荒巻という警察幹部が、現場の刑事・トグサに語るセリフです。

 理解は、自分が願望していることが現実と合致していることを確認することだ、と、この荒巻のセリフを読み替えることが出来ます。細部では間違っているかもしれませんが。

 1人でどっか異国の町で買い物をします。これで足るだろうと紙幣を出します。すると相手は憮然とした顔をしてその紙幣を投げ返します。

 どうしましょう。商品は手に入りません。

 私は想像します。

 私が出したのは、この商店では(このカウンティでは)使えない通貨である。

 店主はこの紙幣を偽札だと判断した。

 これは、アンタには商品を売れない、という店主の意思表示である。

 他にもありそうです。私は弱い人間の常として、考えられることの中から自分に有利な条件を想定して、……つまり『願望』して……状況に自分の行動を合わせようとします。

 「この紙幣に問題があるのか?」

 相手は、ちがう、と言います。私は次の想像をします。

 「この紙幣の金額では足りないのか?」相手はそれにも、ちがう、と言います。私は次の想像をします。

 「私は日本人だ。私には売れないということか?」相手は、ふーん、でも違うよ、と言います。

 そろそろ私の『想像』がタネ切れになります。通訳の劉さんが、町で困ったことがあったらいつでも私に電話かけてください、と言っているのでそれに頼るかな、と思い始めます。

 同時に、次に『想像』できることは? 私は模索します。

 やがて、その『想像』した内容で事態が進行するとき、私は本日のトラブルの意味を『理解』するでしょう。

 理解するためには願望しなければいけない。たとえ現実の進行と乖離していても、その想像は大事なのだと思います。

 やがて、私に紙幣を投げ返した男性がおもむろに言います。

 「ちゃんと店の人間に金を払え。おれは買い物に来た客だ。あんたと同じだよ。」

 あ、それ、想定外……。

« ハルピンに自販機が林立する日 | トップページ | 世界最高のスポーツカーがポルシェカイエン? なんでFT86じゃないんだ »

旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/589238/57065681

この記事へのトラックバック一覧です: 理解するためには願望することが必要だと荒巻は言った(のかなぁ):

« ハルピンに自販機が林立する日 | トップページ | 世界最高のスポーツカーがポルシェカイエン? なんでFT86じゃないんだ »