中国的お買い物事情書籍編
中国では書籍がとても安い、ということを以前に報告したことがありました。
こちらに来てすぐ、どっかの本屋さんが移動販売の露店を食堂前に出したことがありました。私はその際に中国の地図帳を買ったのですが、立派なブックカバーがついていて10元でした。同時に買った『1Q84』は15元。そばにいた学生に、「それ、コピー本じゃないですかぁ?」と言われましたけど、たしかに少し紙質は悪かったけど内容は1~3までが省略もなく揃っていました。中国語の漢字の情報量はとても多いので、あの3分冊が普通の厚さの1冊に、入っちゃうのです。
さて。
新学期(2月28日から開始)の教材のために、3年生の劉さんに「村上春樹の『ノルウェイの森』と村上龍の『限りなく透明に近いブルー』それに『69』の中国語版を買ってください。」と依頼。あと、莫言さんの『北海道走筆』も。これは個人的興味で、依頼。
彼女はむろん快く了承。2日ほどたって彼女から電話がありました。『挪威的森林』『69』『北海道走筆』はありました。『無限近似于透明的藍』は品切れで、コピー本なら売ってたんですけどそれは買いませんでした、という内用でした。私としてはコピー本でも良かったんですけどそれは日本で言う海賊版で、劉さんの健康的な意識は、海賊版の購入をよしとしなかったわけです。著作権というものについての考え方が限りなく崩壊に近い黒色であるこの国にあって、立派な見識であろうかと思います。(私は、欲しかったけど)
12月27日、日中の最低気温が31度で最高気温が30度という「なにそれ?」というしかない寒さの木曜日、劉さんは完全防備で私のアパートへやってきました。
「おおありがとう、値段は?」と聞くと、「送料込みで72元です」という返事。計算があいません。ウラの定価を見ると、『北海道走筆』が75元、『挪威的森林』が23元、『69』が(実に立派な装丁だった)24元です。「あなたが言った金額の、その倍近くになるはずだよ」劉さんは、「でもその値段です」。どうやら、ネット購入の際には割引のようなものがあるらしい。大きな割引率です。
中国の学生はお礼のようなものは絶対に受け取らないので、きっちり72元を払い、ヨーグルトをふるまって帰ってもらいました。
『北海道走筆』は写真がたくさん掲載された紀行文で、2004年の12月末から翌年の1月5日まで、莫言さんが北海道新聞社に招かれて当地を観光、北海道大学で講演をしたりした際の覚え書き。砂川のいわた書店の社長さんによると道内の有志の方が翻訳、自費出版された経過はあるようですが、大手の出版社がこれだけの価値ある書籍を無視したその理由がわかりません。文も写真も、とても立派です。
いつか、劉さんに訳してもらおうと思いました。いつか、って、半年もあればオッケーと思います。
それにしても。
内容をすっかり覚えている村上龍の『69』。
中国語で読んでも、情景があざやかに浮かぶ、わかりやすさなのでした。漢字の威力です。
それなら、『無限近似于透明的藍』も大丈夫だろう。
おお、村上龍で、中国語のお勉強。
1969年這年、東京大学停止了入学考試。披頭士楽隊発行了『白色専集』、『黄色潜水艇』和『修道院大道』……
……1969年のこの年、東京大学は入試をとりやめた。ビートルズは『ホワイトアルバム』を発表し、『イエローサブマリン』と『修道院へ続くメインストリート』を歌った……。
中国語わからなくても、意味わかります。
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