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2012年11月23日 (金)

何かを伝えること、伝わったことに責任を取ること

 我が配偶者様が、日本語科11組の全員を交代でアパートに招待する、という計画を立てました。

 つかの間この黒龍江東方学院を訪問したのに、盛大な歓迎会を開いてくれたことへのお礼です。

 22人ですから、1回に3名を招待したとして、7回ないし8回、かかることになります。

 1122日木曜日が第1回目。巻き寿司の中に入っているのは中国・ハルピンで手に入るものばかりですが、3人の1年生はおいしいです、おいしいですといって食べてくれました。1年生ですからまだ日本語に接して2ヶ月と2週間、やっと文字が読めて書けるようになったばかり、身振り、手振りでナスのテンプラの調理方法を質問する彼らが、とても愉快だったです。

 そして、調理した我が配偶者様に一生懸命敬意と感謝を表そうとする態度が、誠実だったです。

 あけて金曜日、1時間目にそのクラスの授業がありました。私は、食事会に来てくれた3名のメンバーを激賞しました。

 「日本語の上手下手じゃない、まずは何かを伝えたいという、その気持ちだ」と、発言しました。

 2年生にも3年生にも、日本語が上手になったら日本人と会話したい、ということを考えている人が大勢いる。大変に申し訳ないが、まちがいだ。上手になったら? どこまで上達したら会話を始める? 4年生の平均ぐらい? ここにいる、通訳の馬さんくらい? その先輩格であるリュウさんくらい? 日本語科の主任である陳先生くらい? きりがない。どこまでいってももっとうまい人がいる。上達したら会話をしよう、と考えている限り、永遠に日本人と会話なんかできない。

 私も817日に中国に来て、中国語の勉強をはじめた。全くしゃべれない。でも何かを伝えたい、どうしても伝えたいと思うことがある。無茶苦茶な中国語で、平気で私は話しかける。たとえば先日、新中心のマーケットで2キロ50元の牛肉を買った。アパートに帰って調理したらすばらしくおいしかった。ぜひそのお肉屋さんに行って、お礼が言いたい。あなたが売ってくれた牛肉は、ものすごくおいしかったんだよ、ということを伝えたい。でも絶対に伝わらない、すぐにはね。でも、ひどい発音で語順も無茶苦茶でも、やがて伝わる。少なくとも悪意を持ってはいない、示したいのは感謝だということは、伝わる。何かが伝わったときの感動は、ちょっと口には出来ない。それがコミュニケーションというものだ。

 ……生徒はもちろん熱心に聴いてくれましたが、驚くべきことに通訳の馬さんが、「勉強になりました」と、言ってくれました。

 そして今日の昼ごはん。違うメンバーが3名、我が房里に来てくれました。

 家に入るなり、3人がそろって、ばばばぁっと我が配偶者様に話しかけてきて、びっくりしました。

 食事中も途切れることなく、話が続きました。口に何かが入っていないときは、ずっとしゃべっていたと思います。

 中の1人、瀋陽の近くのインコウという海辺の町の出身者、カさん(漢字が日本にない)。

 我が配偶者様にものすごく熱心に何かを伝えています。もちろん日本語の単語は300くらいしか知りません。絵に描いて身振り手振りをつけて……。

 インコウで取れる生きたエビを醤油と香辛料をまぜた特殊な汁に半日漬けこみ、殻をむいて食べるそれがいかに美味か、それを説明しているのでした。「だからぜひ来てください。鉄道の駅から歩いても40分ですから」

 1時間半はあっという間に経過し、彼らは何度もお礼を言いながら帰って行きました。

 我が配偶者様、遠い目をして、おっしゃいました。

 「行かなきゃね、インコウに」。

 同感でございます。

 しっかりと何かを伝えあったら、つまり情報の共有が完了したら、出来る範囲で、責任だってとらないといけないので、あります。もちろん、生きたエビの料理だって食べたいし。

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