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2012年10月18日 (木)

ついに教室で聞かれた「尖閣問題」

 1年生の教室で、通訳のRさんから話しかけられました。「尖閣は、日本の領土なのですか? 中国の領土なのですか?」

 さすが、頭のいい人は違う、と思いました。

 深く中国を愛する彼女(当たり前だ)としては、「釣魚島は」と聞きたかったところでしょう、それを、日本人である私にギリギリの配慮をして、「尖閣は」と質問した。それに授業が終わる数分前というタイミングで、私が答えたくなければグズグズ渋っている間にベルが鳴ります。彼女としてはそこまで配慮して、時間を待ったのでしょう。

 尖閣は日本が実効支配しています。2002年には地権者から日本国が借り上げ、2005年には灯台を国有財産であると世界に向け、発信しています。今のような騒ぎにはなりませんでした。釣魚島か尖閣諸島かの呼称の問題でも、中国自身が揺れています。近海で操業していた中国漁船が海難事故にあったとき、船員の救助を行ったのは尖閣を母港とする日本の漁船の乗組員です。その際、中国政府は感謝状を送りますが、それには「尖閣島の日本人の皆さん」と書いてあります。

 そもそも日本、中国、台湾で領有権の主張が始まったのは1960年代の終わりに国連が海底資源の埋蔵の『可能性』について言及してからです。実際に掘ってみたらガスも原油もなかった、という可能性だってあります。それにカツオの好漁場だという主張にしても疑問がり、本当に好漁場なら今も日本の漁港が尖閣にあり、今度のことがなくても中国漁船が操業をしているはずです。石垣島や沖縄本島からかなりの距離があり、燃料代がかさんでそれが漁獲と見合わないというのが、無人島化した本当の理由ではないのでしょうか。中国本土からの操業はもっと明白です。ガソリン代が過剰で、引き合わないはずです。いずれにしても、失ったら国家の一大事であるというほどの『漁場』ではおたがいにないはずです。

 過去に日本人の居住の事実があり灯台があった。1970年代初めの、沖縄県の施政権返還の際も尖閣諸島は含まれていた。しかし、実効支配しているということと、領有権の問題が「存在しない」ということは、本来別のことです。尖閣諸島は今も国際的には紛争地であり、領有権は確定していません。このブログをご覧いただく方は(多くないと思う)私を非国民呼ばわりするかもしれませんが、あえて言うとして、棚上げ状態にしておくのが一番良かったはずだと、私は思っています。

 石原がなぜかアメリカでの講演で都による購入を言明し、野田がこともあろうに日中戦争勃発の『記念日』1週間前という最悪のタイミングで国有化した。どうして今までのように(トウ小平以来の合意である)棚上げ状態ではいけなかったかというと、アメリカの戦略がからんでいるのでしょう。もちろん、何の証拠もないことを認めた上で言うのですけど。

 アメリカの覇権は間もなく終わります。10年という人もいるし23年という人もいます。しかし対米従属を国是としてやってきた霞ヶ関の官僚は、アメリカの覇権が終わるとしても1年でも先の方がいいなと考える。そのためには、日本が中韓との中をこじれさせ米国に今までのように依存する関係を保ったほうが「都合がいい」。日本はこんな状態になってもアメリカの国債を買い支え、ドルが無価値になることを食い止めているお得意さんだから、アメリカにとってはまだ(まだまだ?)利用価値がある。だからこそ、小泉の時の拉致被害者帰国なんかの時には日本に最大限の協力を行った。あの帰国劇は明らかにアメリカがシナリオを書いている。(以前こういうことを書いたら、ある方から「証拠もないんだし」と言われた。証拠があるわけがない、そして私は、証拠がないからと言って想像することをしない態度は嫌いだ。)

 石原が起こし野田が引き継いだ国有化劇にはシナリオがある。今回のことで誰が得をしたか考えて見ればわかる。中国経済、日本経済、ともに大損をした。ヨーロッパの保険会社は今後EU圏内の企業が中国に資本投下し工場を建設する際には保険料を引き上げるという。当然だ。すでに世界の資本の中には、ゆるやかに中国から『逃避』をする動きが出ている。インドとバングラディシュは、早くも「今度はこっちに資本投下しませんか」と言ってきている。当然だ。中国は依然として労働しなければならない気の遠くなるような人口を抱えており、中期的なスパンで見て今回のことが金銭的にプラスであるはずがない。

 誰がいったい、今度のことで得をしたのか。

 国有化した。原油の採掘をする? 調査をする? 日本は産油国になるのか? しない、ならない。アメリカの大手石油メディアがそんなこと許すわけがない。対米従属をやめてアジア域内での協調のコンダクターになればできる。アメリカと霞ヶ関はそんなこと有り得ないと思っている。しかし間違いなくアメリカの覇権は、終わる。そのときこそ日本は自分で『外交』をしないといけない。もう最強の後ろ盾はない。

 尖閣の問題は棚上げ状態に戻すべきだと、私は思う。領土問題は、存在すると、私は思う。非国民? 私を非国民と言うなら、国ごとアメリカに売り渡してきた霞ヶ関は、どう呼ぶ?

 今までは、そうするしかなかった、それはわかる。

 しかし100回同じことをいうが、アメリカの覇権が終わったあとのことを、どうして今、考えないのか。

 ……で、通訳さんとどこまで踏み込んで対話を……?

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コメント

こんばんは

北海道もとても寒くなり、靴下嫌いの僕でも自宅で靴下を履いています。
さらに言うと、僕は冷え症なのでこの先心配です。


さて、以前パソコンか何かのニュースで見たのですが、数十年前の「中国」の地図を見たところ、尖閣諸島が沖縄に属しているように描かれていたことを指摘すると、中国側は
「支離滅裂な資料だ!」
などと言ったそうです。

確かに中国側の地図ですから、重要な資料ではありますが、地図をほれ見ろほれ見ろと見せる日本も、
いやいやそんなのはめちゃくちゃだ。という中国もどちらも幼く見えてしまいます。
日本ではあまり中国について報道されなくなりましたが、反日のデモはいまだに続いているのでしょうか?

両国ともに大人になってほしいものです。

あと、またしても沖縄で米兵が日本人女性に暴行をする事件が発生しました。
アメリカは厳しい対応をとる姿勢ではあるようですが、どうにも信用出来ません。

違う国と仲良くするのも大変ですね。
お互いに尊重しあうことをもう少し意識してほしいものです。

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