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2012年9月19日 (水)

それでも中国人学生は、先生方は、日本人に優しく、親切

 私のボディーガード役をつとめてくれている4年生のMくん。

 おもな業務は私の買い物に同行すること。とはいえ、今まで彼の専門であるウェイトリフティングの技と筋肉が活躍したことは一度もありません。ちなみに中国ではウェイトリフティングのことを『健身』といいます。

 なかなかハンサムな男です。ボディーガードと言っても別に顔は、イ・ジュンジェには似ていない。

 彼がぽつりと「日中関係最悪ですねぇ。ボクは残念です。」

 日本人教師を採用している大学はいっぱいありますが、対応はさまざまです。中には、「学内でも日本語は使わないでください」という指示を出したところもあります。学生が、すでに不穏なのか、それとも過剰に心配しているのかわかりません。そこにいる先生はメールで、「無理な要求だ」と書いてきました。そもそも、着任して初めて中国語のトレーニングをする人だっているのです。(私だ)

 日本人教師に向かい、学内でも中国語を話せ?

 そうかと思うと、日本にある派遣団体の中には、かかわるすべての日本人教員を帰国させたところも出てきました。オーバーだと思います。むしろ空港が、よろしくないでしょう。

 私のいる黒龍江東方学院は、「学内からなるべく出ないでください。」ありがたい、ソフトな対応です。先日、突然、「食事会」と称して日本人教員が集められましたので、「帰国命令だったらどうしよう」と思ったのですが、当局の偉い先生からの、「こんな事態になっても私たちは先生方を守るので安心して授業してください」というものでした。具体的には、外出時(近辺に限る)の付き添い教員の割り当ての発表でした。私の担当は、日本の大学に留学した経験のある若い先生でした。

 生徒は……。

 すべての生徒がここ数日来の中日関係に心を痛めていますが、私に対する態度は全く変わりません。同じく親切です。また、日本語の学習意欲に、いささかも変化はありません。「先生、一緒に食事、しましょう。いつがあいていますか? 今日はどうですか? 明日の昼はどうですか? 夜は?」という調子の誘いも、全く減りません。

 しかし私の心は落ち着きません。一心に日本語を学ぶ彼らの中に、将来の留学の希望や日系企業への就職、日本への旅行、その他の探求を、阻害するものとして今回のことが意識され始めたとしたら、それは本当に本当に不幸なことです。千字文到来から1500年、たしかに不幸な時代はありましたが、基本的には相互によい影響を及ぼしあってきた、密接なつながりの両国だと、私は思っています。こうしている今だって、日本国内のあらゆる商店から中国製品を撤去したらいったい何が起こるでしょうか。中国の道路に立つと、たとえば通り過ぎる自動車のエンブレムが日本のものでなくても、あきらかに日本の★★のデッドコピーであるという車両が、実にたくさんあります。そうやって日本も80年前に自動車を作ったんだし、その技術が今、中国に流入しています。相互にいま、「嫌いだ」と思ったとしても、過去の歴史は互いを必要としてきた、そしてこれからもそうだということを、教えています。

 だからこそ、野田は中国に来て説明を、「外交」を、するべきです。

 こんなことになってもいつかはアメリカがどうにかしてくれるだろうと思ったり、直接中国政府に言わないで国連に泣きついたりすると、日本にも中国にも、人民レベルで互いへの嫌悪感が広がります。野田が、「あなたがたが領土権を主張し始めたのは1970年代以降、海底に原油床があるとわかってからだ」と思うなら、国連でなく中国に来て、言うべきだ。天安門事件のときG7は中国に対して相当に厳しい経済制裁を課した、そのとき、それを解除してくれと先頭に立って主張したトシキ・カイフはどこの国の人間だったのか、今旗を振っている中国人に、おだやかに教えるべきだ。経済制裁の打撃から立ち直るための資金6000億円はどこの国からの拠出だったのか、ちゃんと言うべきだ。そして、日本に向かっても、中国の圧倒的な人的資源が日本人の暮らしの幸福にどれほど助けになったか、ちゃんと言うべきだ。

 野田さん、中国に来てください。

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